2013年1月21日月曜日

(2012後期・月曜2限)ブリッジ・イングリッシュⅠ 授業記録

第15回(最終回) 1月21日

授業の流れ・省察
・前回の小テストを返却。
・まずは音読テスト範囲のChapter 5つ分を採点のポイントなどの説明を交えながら強弱・高低の箇所などをざっと説明。音読テスト範囲が第2段落までとはいえ、Chapter ごとに振り返り時間を設けながら進めたこともあって、これだけで25分もかかってしまった。これが音読テストの点数アップにつながった…という学生が一人でも増えたら、という願いをこめつつ。(感触としてはそれなりに効果はあった様子だが)
・後になって進め方を逆にすれば良かったという気がしてきたのだが、これに続く20分で前回配布したプリントの続きを使い、日本語の「ん」に7種類の音があるという話を取り上げた。この授業では「日本語の謎」もこれまでいろいろ取り上げてきたが、英語の音に敏感になることを目指すだけでなく、普段話している日本語にもなかなか気づかない現象があることを知ってもらいながら、英語との比較をするという観点が大切だと思う。
今日はもともと授業時間は半分ほどで終わり、残りの半分は個別音読テストを行うことにしていて、教室よりも自分の研究室に早めに戻って待ち構えているつもりだったのだが、教室内で受けてもよいということにしたところかなり多くの学生が希望し、結局は授業時間いっぱいまで教室で個別音読テストをやることになってしまった。まあ周りにいろいろ仲間がいた方が緊張感が薄れるというのは分からないことではないが。
・この授業は61人が履修登録していたが、結局音読テストを受けたのは29人。(中には練習不足が原因で音読テストとしての評価も伸びず、単位不認定になってしまう者もいるのだが。)結果的に過半数の学生が途中から来なくなってしまったことになる。英語を声に出して読むという授業内容に抵抗を感じる学生もまだまだ多いのだろうか。来年度も同じ内容の授業を行うが、もう少し残ってくれる人数が増えたらいいのだけれど。



第14回 1月7日

授業の流れ
・まずは小テストから。1問1点、5問出題の4〜5語程度を聴いて埋めるディクテーション問題だったが、部分点狙い(軽微な間違いは0.5点とし、合計点の小数点以下は切り上げで採点)が多かったのが残念。
・大学指定のケータイ授業アンケート。今回は匿名。しばらくしてからリアルタイムで提出状況を確認しながら、回答の傾向、印象などをコメント。・残りの全配布物を配布。音読テストについて案内。
・発音コーナー。まずは前回の「あいうえお」で英語発音練習(3)の全体を復習。特に「溜めて読む」練習をしつこく繰り返した。次に新しいプリント(.xlsx形式、改変・再配布自由)の1ページ目「日本語の無声化を英語と比較」を配って音読・観察など。細かくやったのでここまでで65分もかかった。

・残りの25分で教科書コーナーだが、Chapter 6〜10まで終わっていて、来週から個別音読テストなので、今日は総復習ということにし、(1) 読めない単語をつぶす (2) ゆっくり読み上げるのを聴いて確認 (3) 大音量で音楽を流し、そのボリュームに負けないくらいの声で各自自由に練習 の繰り返しで進めた。
・自由記述欄は、今すぐ音読テストをやったとして、今の時点で何点とれそうか、そして目標点数は何点か? を自由に書かせた。
・ちなみに音読テストはこんな感じで行う予定。(日程と評価シート。これを両面印刷して3等分したものを配布。)




第13回 12月17日

授業の流れ
・前回の出席カードの裏面に書いてもらった学生オリジナルのおふざけフレーズの紹介から。採用作品はvの練習用に「バリバリのバリアフリー」「ビリビリに破る」「フサフサでボーボー」の3つだけ。他にもいくつかあったが、ちょっと使えそうになかった。また「バリアフリー」の「バ」はvではなくbでやってもらったので、ちょっと難しかったかも。
・発音プリントは前回配布のプリント(.xlsx形式、改変・再配布自由)の2ページ目、
「「あいうえお」で英語発音練習(3)単語の最初は「溜めて読む」シリーズ(ぎりぎりまで押さえて力を溜め込むイメージで…)」から。このページはいつも(というか今年前期に初めて作ったプリントだが)とても盛り上がる。学生からも「日本語と英語が違いすぎて面白い。今まで全然意識していなかったけど。発音がキレイになっているのが分かる。面白いし楽しいしうれしい!」「外国人ぽく発音できるようになるとやっぱかっこええなって思う」「単語の最初に溜めて読んだり、息を強く出すように発音するだけで全然違う発音ができ、ネイティブのように発音できる」などというコメントが多数寄せられるのでこちらとしても嬉しいところ。この練習を一通りやってからグループ内での練習タイムとし、自己申告・ミニアンケート欄には自信をもって発音できるようになった単語をどれでも5つ書くという形にしてみた。
・教科書コーナー。せっかくプリントの方で個々の単語の発音を丁寧にやったので、フレーズ単位で滑らかに読むのは今日は脇に置いておいて、それこそ教科書の単語を一つずつ丁寧に単語の最初を溜めながら読むという練習ばかりを繰り返していた。プリントの効果もあってか、教科書の音読もみんなとても上手になったような気がする。あとはこれを音読テストでも存分に発揮してくれたら言うことなしなのだけれど。
・教科書コーナーはChapter 10の単語問題とディクテーション問題まで終了。次回、年明け1回目の授業ではChapter 7〜10のディクテーション小テストを実施予定。



第12回 12月10日

授業の流れ
・季節の小ネタとしてWHAM!のLast Christmasの冒頭部分を流し、歌詞の意味を簡単に説明。この曲、多くの人が誤解してそうな気がする。なんであんな失恋ソングがクリスマスの定番曲なのだろう?
・前回の出席カードに書かれた質問2件に答えてから、学生から寄せられたth/f/v をいろいろ練習「おふざけフレーズ」名作集を紹介。thの練習用として紹介したのは「そうめんずるずる」「ぞうさんぞろぞろ」、f/vの練習用として紹介したのは「バイトバリバリがんばるぜ」「ふかふかのふとん」「ふとんがふわっとふっとんだ」「ババアの部室でバーベキュー」「フランクフルトをほおばる」「ふーふーして食べる冬の鍋」「爆弾爆発してバラバラ」。ほかにも大量に寄せられたが、半数以上が練習にはちょっと使えなさそうなボツ作品だった。
・これらのおふざけフレーズで練習してから前回までの3回で使った発音プリントの総復習。「暗いエル」のところだけ飛ばして、縦方向に読んだり横方向に読んだりを2回。また、出席カードの自己申告欄を2つに分けて、その片方をこの「あいうえおシリーズ」で隣近所の人と比べてみて、どちらが上手く発音できたかなどについて自由記述。
・今日から2回分の資料として新しい発音プリント(.xlsx形式、改変・再配布自由)を配布。今日は「さしすせそ/たちつてと/なにぬねの/はひふへほ」の中に純粋な意味でのサ行・タ行・ナ行・ハ行以外の子音があることを知ってもらい、英語の発音にもちょっとだけ敏感になってもらうための練習を行った。
・教科書コーナーはChapter 9を全範囲。また、出席カードの自己申告欄の右側に教科書での学習についても隣近所の人と比べてみて、どちらが上手く発音できたかなどについて自由記述してもらった。このまま第2回の音読テストに向けて、仲間と一緒に努力して、少しでも滑らかな発音ができるようになって欲しい。
・これまでディクテーション小テストはChapter 3つ分だったが、今回は7~10の4つ分を範囲にするので、次回Chapter 10までやれば年明け最初の授業で小テストをできるという段取りでいけそう。



第11回 12月3日

授業の流れ・省察
・前回の小テストを返却。
・出席カードを配布。
・前回の出席カードに書かれた質問に2件答えてから学生から寄せられた発音練習のための「おふざけフレーズ」を読み上げ、その中で th の練習に使えそうな作品のみを板書。採用作品は「砂ずり食べるやつずうずうしい」「最高にしらすがおいしい」「最近詮索してません」「ぞーっとするそのしぐさ」「じわじわ近づくおじいさん」「ぞうすいにする」「むずかしい」「持久走時間切れ」「じじいのジーパン」「漢字すらすら練習する」「風邪ひいて鼻ずるずる」「スルメするする食べれます」「地面がざらざらするよ」「財布の中スッカスカだぜ」。本当は他にも面白いフレーズがたくさんあるのだが、実際に読み上げてみると言葉が詰まったりするものが多い。まあ「おふざけフレーズ」と銘打っていても英語の発音練習ができなければ本末転倒なので。そしてこれらを板書してから th の復習。続いて f / v に入ったが、th と同様に、「一番汚い音」を出せる場所を探して、そこに歯を当てる練習を繰り返し行った。f と v を別々にやってから個別に「おふざけフレーズ」を板書。f の方は「はらへった はらへった おひるごはん」「ははのひふ ははのひふ ははのひふ」「ほっとひといき コーヒーで」で練習。v の方は「ぶんぶんぶん はちがとぶ」「バイキンべたべた文房具」「バイキンマン ビビって自爆でバイバイキーン」で練習。そして今日も学生からオリジナルの練習用フレーズ案がたくさん寄せられた。採用作品は次回発表。
・教科書コーナー。まずは教科書Chapter 8の単語問題とディクテーション問題。続いて、いつもならChapter 9に入るところだが、どうもここしばらく教科書の本文を使った練習の回数が少なめなので、Chapter 6に戻って丁寧に練習しなおすことにした。ただしこれまで発音コーナーで扱った r / l / th / f / v を意識しながら。しかしこれがなかなか難しかった。今日練習したばかりの f や v も本文に出てくるとなかなかタイミングが掴めない学生が多く、 friend や thank you など、基本的な単語での練習もいろいろ挟みながら Chapter 6 / 7 / 8 を練習。どうも教室外での練習が不足している学生も多い印象。また、だんだんと声が小さくなっていくのも残念。
・最後に出席カードのミニアンケート欄で「今まだ発音は上手くなくても構わないが、今後正しい発音を身につけようとした時に、何からやったら良いかイメージできているか」について書いてもらった。大きな声での練習を躊躇いがちな学生が多いが、それでもコツが分かってきた、周囲の学生もレベルが上がっている、あとは舌の使い方と気持ち!!というコメントもそれなりに寄せられているのはうまくいっている証拠と言えるか。一方、何をしてよいか分からないという学生もいることはいる。少しずつ新しい発音の仕方の説明が増えているので難しくなっているとは思うが、前回の「自信がついたか」の質問で、どちらかと言えばネガティブな感想を書いた者でも、今回の質問ではポジティブに答えているケースが多いので、そこは喜ぶべきなのだろう。



第10回 11月26日

授業の流れ
・授業開始直後に穴埋めディクテーションの小テスト。採点は隣同士交換。(あとで記帳する際に正しく採点できているかチェックするけど。)
・前回配布した発音プリントの前回範囲の復習から開始。そのあと、前回の出席カードで学生から提出があったオリジナルの「おふざけフレーズ」を全部読み上げ、その中でr / lの練習に使えそうな作品のみを板書。採用作品は「それを食べるからラルク聞かせろ」「プリキュアのプリとろ」「からあげカリカリに揚げろよ」「焼き鳥のとり皮パリパリ」「奈良でお寺巡り」「これにこりたら悪さはするな」「もりもり食べるまりもっこり」。これらをiPhoneの音声認識で普通の日本語のように読んだらきちんと認識されるが、ラ行子音を r に変えて読んでみるという実験をしたところ、全くデタラメな内容になってしまうということが分かった。音声認識機能があるスマートフォンを持っている学生は是非、正しく認識されない状態になるまで練習してみて欲しい。
・続いて発音プリントの th (すんだ音・濁った音)の音の練習。すんだ th の練習では「さようなら せんせいみなさん またあした」「すばらしく せいせきあがり うれしいな」「そんなそうさは しりません」、また、濁った th の練習では「じかんわり ぜんぶずれてて ずっこけた」「かぜひいて つくるぞうすい あじもなし」「あじさいあじさい はなざかり」で練習。また、すんだ th の音はサ行子音ではなくタ行子音の方が近い音であることも説明して練習。いろいろな練習を繰り返したが、なかなか s / z と異なる音をとっさに出すのが難しい様子。濁った th は「舌の上を上の歯で前後にスキャンして、一番汚い音が出るベストポジションを見つけておき、いつでもそこに上の歯を当てる」という練習を何度もやった。最後に個人での全体練習とthを使ったオリジナルの「おふざけフレーズ」を考える時間を長めにとったところ、今週も「おふざけフレーズ」は力作が多数集まった。来週の授業で採用作品を発表しよう。
・出席カードのミニアンケート欄では1限と同様、ARCSモデルのA(注意を向けている)、R(自分の興味と関連)、C(自信がついた)、S(満足している)の4つの観点で評価してもらった。結果は後述。
・教科書コーナー。まずは前回時間が足りなくてできなかったChapter 7の単語問題と穴埋めディクテーション問題の箇所。本来はChapter 7の本文ももう一度ぐらいは細かく読む練習をしておきたいところだが時間が足りず、Chapter 8の本文に入った。全体通しでは1回しか音読できなかったが、フレーズごとにかなりしつこく r / l / th の練習を行った。
・発音コーナーに長い時間をかけすぎていることもあってChapter1つ分を超える分量を1回の授業で扱うのはなかなか難しい。前期と違って後期は教科書の問題を5つから2つに減らしている。それでもなお教科書本文はここ2週続けて1回ずつしか読めていない。もう少し加速したいところだが発音コーナーがこの授業の根幹なのでまあいいかな、という気がしている。(仮に問題があるとすればシラバス通りに授業が進んでいないことだが。)次回、Chapter 8の単語問題から。

学生のA/R/C/S(注意を向けている/自分の興味と関連/自信がついた/満足している)による評価より
・月曜1限と2限は両方とっている学生が半分近くいるので、アンケートでは同じ設問を出しにくいが、やはり普段なかなか練習する機会がない発音でもあり、正しい英語の発音は難しいようで、Cの評価が低い学生が目立つ。「自信はできなさすぎてついてない」という学生もいるが、それでも少しずつやっていくしかない。(ひょっとすると第2回の個別音読テストでは個々の発音も評価するというプレッシャーがかなり恐怖感を与えているのかもしれないが。)しかし逆に「今までの発音よりも自信がついた」「授業を受け始める前より確実に自信はついている」「ちょっと発音がうまくなった気がする」「以前よりは上達したと思う」「前よりだいぶ発音がよくなったと思います」という意見もあるのが嬉しいところでもある。
・一方、「おふざけフレーズ」の効果もあるのか、Sについては「楽しいので満足している」「楽しくできてる」という意見も良いことだ。
・Rについては「洋楽を歌う時の発音のコツを知りたい」という意見があった。基本的な音変化は網羅できているはずなので、あとは応用だけなのだが、やはり洋楽を素材として練習する機会もあった方が良いのかもしれない。他にRに関して「最初は関心がなかったが練習していくうちに興味を持てた」というのも嬉しい意見。
・そして1限の授業で全てに×をつけた学生、この授業も履修しているが、こちらも同様に全て×。よっぽどひねくれているのかなあ。出席カードで評価する「今日学んだ英語発音のコツ」は他の学生以上によく書けているのに…。



第9回 11月19日

授業の流れ
・先週木曜日で終了した個別の音読テストの結果までを入れた成績中間集計の個人票を配布。
・前回の出席カードに書かれた質問に解答。
・今回の出席カードの自由記述欄アンケートは1限と同様、折り返しを過ぎたこの授業の後半戦をどのぐらい頑張るか、決意表明を書いてもらって近所の人と見せ合って確認。
・発音コーナーは今日から新シリーズなので、前回の復習は実施せず、前期の授業でも好評を博した「『あいうえお』で英語発音練習」という発音プリントを配布。(PDF版。改編・再配布自由。Excel版はこちら)この資料は授業3回分。1回目の今日はrとlの音の練習を実施。プリントへの補足として「母音の後ろにrがあるときは唇の形をなるべく変えずに舌全体を後方に引っ込める」などの説明も。また「おふざけフレーズ」として「タラちゃーん、イクラちゃーん、ノリスケさーん」「プリプリのエビどれー?」「とろろ芋とろとろー」「あぶらもの とりすぎみるみる ふとりすぎ」「るんるんしてるねー」で練習。このようなおふざけフレーズを思いついたら出席カードに記入するように指示したら今学期も力作が多数。次回授業までに練習に使えそうなフレーズを絞り込んで公表予定。
・教科書コーナー。まずは前回やり残したChapter 6のディクテーション問題。そのあとChapter 7に入り、Phrase Reading Worksheetの切れ目を使いながら短めのフレーズでの音読練習を繰り返したが、せっかくrとlの発音を重点的に取り上げたので、rとlが出てくる行ではかなりしつこく練習を繰り返した。このため、だいたいいつも3回ぐらいは音読練習を入れることができるが、2回しかできなかった。(2回目は教科書のスラッシュ区切りごとのポーズ入り音声を使ったリピート)
・次回の授業開始時のディクテーション小テストの出題範囲はChapter 4〜7としたかったが、時間が足りずChapter 7まで入れることができなかったのでChapter 6までということにした。
・授業の終わりかけになって発音練習の部分の日本語のラ行子音と英語のr/lの比較を入れるのを忘れており、急いで付け加えた。段取りミス。

次回の予定
・ディクテーション小テストをやってから発音プリントはthの練習。Chapter 7は教科書の単語問題から実施し、なるべくChapter 8のディクテーション問題まで進めたい。



第8回 11月12日

授業の流れ
・前回の出席カードに書かれた質問に回答。
・発音プリント(7)の復習と(8)の練習。このシリーズは今日で終了だが、今日は音読テスト対策の総合練習もやる予定だったのでこのプリントは手短気味に終了。出席カードの自由記述欄に今日まで8回の授業で使った発音プリントシリーズについての感想を書いてもらったが、大多数の学生はこのプリントでの練習で発音が上手になったと感じている様子。このプリントはもう店頭では手に入らないと思われる靜哲人先生の『カタカナでやさしくできるリスニング―ネイティブの生きた英語が聞き取れる』からいろいろな例を抜粋して再編集したものなのだが、やっぱり靜先生の発音指導メソッドは効果があるなあ。記して感謝。(ちなみにこの本、このブログ執筆時点ではAmazonマーケットプレイスで300円+送料から購入できるようなので是非おすすめです!)
・教科書コーナー。音読テスト範囲であるChapter 1〜5の第2段落までを全てポーズ入り音声で流して後について読む練習。
・その後、5分ほどボリューム大きめで音楽を流し(使った曲はDEPAPEPEの"START"、その間に周囲の人の声を気にせず、自由に大きな声で発音練習を行う場面を設けた。
・ここまででかなりの時間を使ってしまったが、教科書はChapter 6へ。ここからが次の音読テストの範囲。本文の音読はプリントの区切り、教科書の区切り、同時読みで3回実施したが、いつものように単語問題とディクテーション問題をやるところまでは時間が取れず、単語問題のところまでしか進められなかった。
・Chapter 7のPhrase Reading Worksheetを配布して終了。

次回以降の予定
・ディクテーション問題の範囲をChapter 4つ分を使って出題する小テストを第10回の授業で実施予定なので、来週はChapter 6とChapter 7のディクテーション問題の両方をやることになる見込み。
・発音コーナーも次回から別のシリーズを使い始める予定。



第7回 11月5日

授業の流れ
・小テストを返却。
・第1回音読テストについて説明。受験票はこちら。(半裁したものを配布)期間は今日から11月15日まで。(今日も夕方まで待機していたが、さすがに受験者はいなかった。)
・前回の出席カードに書かれて質問に回答。今回も10枚程度。このうち「I'm sorry. では I を強く読まないことを知りました。日本語で『いらっしゃいませ』を『らっしゃいませ』と言うのと一緒なんですか?」という趣旨の質問があったので、言語の変化について話を膨らませ、毎年どこかの科目で紹介している城生佰太郎『言語学は科学である―「象ガ国会デ宿題ヲ忘レル」不思議への招待』の最終章で紹介されている「21世紀末の日本語はこれだ!」をそれっぽく音読するという持ちネタを入れてみた。ついでに同著者による『ことばの未来学』の終わりあたりに書かれている、日本語が今後いくら変化しても日本語の音がrとlやthとsに分かれることはないという著者の予測についても紹介。
・発音プリント(6)をいつもの方法で復習してから(7)を実施。今回はカタカナ表記がたくさんあるページだったので、いつもよりもグループ練習の時間を増やし、英語とカタカナ表記の違いを観察させる時間を多めに設けた。そして出席カードのミニアンケート欄には、プリントで紹介した20個の例文のうち、気に入ったものを2つ、カタカナの方で書かせた。
・教科書コーナー。Chapter 5の冒頭から開始して単語問題とディクテーション問題まで。時間配分的にはちょうどいい感じだったが、本当は今日からの音読テストに備えて、これまでのChapterの復習もやりたかった。残念ながらその時間はとれなかった。
・Chapter 6のプリントを配布して終了。

省察
・第7回にもなって教科書を未購入という学生がいることに気づいた。教科書を使うのは毎回の授業では30分程度だが、それでも音読テストでは教科書の付属CDを何度も聴いて練習してこないとムリなので、たぶんぼろぼろな結果になるような気がする。そういう不真面目な取り組み方をするくらいなら正直この授業を取って欲しくない。むしろこれまでよくそんな状態で授業に参加したものだ…と呆れた。教科書本文に相当する内容はPhrase Reading Worksheetがあるから、それなりに音読練習もできるだろうけど、教科書の単語問題・ディクテーションは全くやっていないことになるし、教科書の英文には強く読むところに●がついていて、これが役に立つはずなのだが、そういった練習をこれまで一度もやっていないことになる。もちろん付属CDを何度も聴く練習も一度もやっていないのだろう(これは他の学生にも当てはまるかもしれないが…)結局、授業で学んだことを活かすも殺すも学生次第。どうせならこの授業をきっかけに今後の英語学習の土台作りをして欲しいところだが…。そしてこれがリメディアル英語授業として開講しているこの授業の大きな目的でもあるはずだが…。



第6回 10月22日

授業の流れ
・小テストを実施して回収。
・前回の出席カードに書かれた質問に簡単に回答。今日は珍しく10枚も。でも発音に関わる内容だったので全て紹介。
・発音プリントの復習をいつもの方法(2回+1回)でやってから新しいページに。今回はこれまでに紹介した発音ルールの復習なので追加ルールなし。ペアでの確認も実施。
・第1回の音読テスト(11月5日〜15日)について告知。
・教科書コーナー。Chapter 4の音声を聴いてから、Phrase単位での音読練習、読めない単語のチェック、口パク音読など。
・教科書の単語問題とディクテーション問題を実施。
・次回のChapter 5のプリントを配布。
・出席カードの自由記述欄には「今日、この授業に出て満足したか?」という質問に対する回答を記してもらった。

省察
・自由記述欄の回答について、約40名の出席者のうち「満足」は7割程度だった。「やや満足」〜「普通」に相当するような回答が2割程度だが、そのうちの半分は勉強不足を自覚している様子。そして「不満足」と回答した学生も1割ほどいる。「やってて意味あるのかな??」というコメントを書いてくれた人も。この科目の学習目標の「英語の音とリズム」についていろいろやっているつもりだが、なるべくなら不満足という学生がいなくなるような授業を心がけたい。気になるのは「(満足)してません。ねむたくなります」というコメントの学生。授業中、なるべく多く発音練習を取り入れていて、90分のうちの45分程度は発音を練習することに意識を向けさせているつもりだが、これで眠たくなるというのは「なかなかいい根性」してる。本当はもっと積極的に参加して欲しいところだが。
・当初の予定から既に2回分の遅れ。第6回終了時点にはChapter 7のプリントを配る予定だったはずなのだが。前期よりもなるべく教科書をたくさん進めたいと思い、一部の練習問題を自習用にして解答はオンラインで送信したり、質問コーナーをなくしたりしたのだが、結局は発音練習プリントを前期よりも丁寧に行うことになったのでプラマイゼロ。まあそれでも前期よりも発音練習により一層注力できるような状況になったのは良いことと言えるだろう。



第5回 10月15日

授業の流れ
・前回の出席カードに書かれた質問やコメントに簡単に回答。
・大学指定の授業アンケートを実施。記名式で携帯電話から回答するが、何故か手書きでの解答用紙を所望する学生が7名もいた。携帯電話からだと回答するフリをして回答せず、遊んでいる者もいるので(そして回収率も低め)手書きでも回答してくれる分、有り難いのだが、授業の良い点と改善提案だけなので、1限同様、この授業もほとんど普段の出席カードでカバーできているような気がする。
・前回の発音プリントの範囲を前回と同じ方法で2回+1回ずつ読んでから、ペアでカタカナありのページと英語だけのページを見て正確に発音できているか相互チェック。その後でもう一度同じ範囲を1回ずつ音読。
・新しい発音プリントを配布。今日の発音のコツとして「アクセントのないところは曖昧母音に変えても良い」というルールを紹介し、これまでのコツと併せながら練習。
・プリントの方が終わった時点で出席カードの自由記述欄に「英語の発音について、ちょっとぐらい自信がついたか。あるいはこれからやっていけばできそうか」という観点で自由記述。(ARCS動機付けモデルのCの観点をちょっと意識した設問。)
・教科書コーナー。前回のChapter 3をPhrase Reading Worksheetの切れ目で音読してから教科書のポーズ入り音源利用、そして同時読み。ここまでやってから教科書の単語問題とディクテーション問題。次回、穴埋めディクテーション小テストを実施予定なのでいつもよりもちょっと丁寧に…!?
・Chapter 4のPhrase Reading Worksheetを配り、内容を確認しながら音声を通して1回聞いたところで時間切れ。

省察
・今日は大学指定の授業アンケートがあったとはいえ、やっぱり教科書の進む分量が少ないような気がする。とはいえ、教科書を使った練習が難しすぎるという者もいるようなので、もう少し丁寧にやらなければならないかもしれないが、これ以上はきつい。既に教科書の単語問題とディクテーション問題以外は自習用として解答を別途ポータルサイトから学生に送信するだけにしているのだが、それでも時間が不足気味なのは、結局プリントの方に時間をかけ過ぎなのだろう。
・次回の小テストも本来は先週実施予定だった範囲なので既に遅れをとっている。
・発音に自信がついたかどうかという出席カードの設問に対して、自信が持てるようになったという学生が3割ほどはいる様子。良いことだ。またこれ以外の4割程度の学生はまだ自信はないけど今後努力していく旨を書いてくれている。そして残りの3割程度は…。結局のところ授業外での練習時間が足りないのだろうな。あるいは読めない単語が多すぎるなんていうこともあるのかも…。



第4回 10月8日

授業の流れ
・今回は以前紹介した発音のコツの一覧は授業前に板書しなかった。
・約10分ほどで前回の出席カードに書かれた発音に関する質問などについて回答。こういう質問であれば喜んで受け付けたい。音読テストについての質問もあったので、こちらは少々詳しく説明。
・前回の発音プリントの範囲を2回+1回ずつ後について音読。(最初の2回はカタカナで書かれた方を見てもよい、次の1回はカタカナで書かれた方は見ずに。)
・今回の発音プリントの範囲では先週までに出てきたコツの総まとめ的な内容と捉えながら練習させた。新しいルールは1つだけ紹介。(she seemsは「シー スィームス」)特に母音に挟まれた t がラ行の音としてカタカナ表記されている部分すべてに○をつけさせ、英文と比較してルール通りの音変化になっているかを確認させた。同様に him, her, have などのハ行の音が落ちるケースについても一つずつ確認。
・あいかわらず発音プリントに少々時間をかけすぎる傾向があり、ここまでで約60分。
・教科書コーナー。前回のChapter 2の英文をポーズ入り音源を使って後について音読練習してから、今回は同時読みを実施。その後で教科書のディクテーション問題のみを実施して答え合わせ。(他の内容理解問題、パターンプラクティス、英文並べ替え問題は自習とし、授業後に授業用ポータルサイトから講義連絡として正解を送信しておいた。今後も同様に扱う予定)
・Chapter 3のPhrase Reading Worksheetを配布。しばらく時間をとって全体の内容を日本語で把握させてから1回音声を聴き、その後、プリントのPhraseの区切りに合わせてゆっくり目にコーラス・リーディング。
・出席カードの自由記述欄は1限と同様「この授業の内容は英語ギライに効きそうですか?」という設問。

省察
・今日は発音練習の時の声がいつもよりも小さかったような気がしたが、そろそろ声が大きい学生だけに追加ポイントを与えるという例の作戦を発動すべきだろうか…。(前期は同じ授業内容のクラスが130名も受講生がいたためにできなかったのだが。)


第3回 10月1日

授業の流れ
・前回までに提示した発音のコツを10個を板書。授業開始前の休み時間の間に書ききれなかった。
・前回の出席カードに書かれている質問(特に発音に関するものなど)に回答。ブリッジ・イングリッシュIIのように幅広く質問を受け付けてはいないし、今後も受け付けないつもりなので、そのあたりにも留意しながらごく手短にコメントなど。(ちょっと発音以外の質問にも回答してしまったのだが…危ない危ない。)
・発音のコツの11番目〜15番目を追加して板書。以下の内容。
11) 母音始まりの単語は出だしの母音を弱く読む
12) Do you, Did you, Did she... など do シリーズで始まる時は出だしは弱く。Yes, I do. / No, she didn't. など答えるときの最後の do シリーズは強く読む。
13) 子音終わり+母音始まりはローマ字読み風に滑らかに繋げる
14) and は 「ン」になることがある。
15) 内容語と機能語では内容語の方が強く読まれる。内容語とは名詞、形容詞、副詞、動詞でそれ単独ではっきりした意味を持つもの。機能語とは接続詞、前置詞、冠詞、助動詞などで、文の中での働きを表す。
・これらのコツになるべく注意しながら発音練習プリントの3ページ目をいろいろな方法で音読。
・教科書Chapter 1のポーズ入り音声を使って後に続けて読む練習。
・教科書Chapter 2の音声をそのまま聴き、読めない単語のチェック、プリントで示したPhrase単位の音読、ポーズ入り音声を使って後に続けて読む練習など。
・教科書の単語問題のみやって答え合わせ。時間切れ。
・出席カードの自己申告・ミニアンケート欄は「この授業を受けて発音への関心は高まったか」について自由記述。

省察
・発音プリントに時間をかけすぎかもしれない。もっと教科書の方に時間を割かないと…。第3回はシラバスではChapter 3を終わらせる段取りだったはずだが。
・出席カードでの自由記述によると、発音への興味が湧いてきたという学生も多いようだが「発音のルールがたくさんあって覚えきれません」というコメントもあった。毎回5つに絞って提示しているもので、本来は音変化の仕組みを一般化してルールとしてまとめたものなのだが、これらを1つずつ板書し、書き写させるということ自体が億劫なのかもしれない。かといってルールをプリントで配布してしまうとそれはそれでルールが多すぎる!ということになるような気がするのだが。同様に「発音のルールを学んで発音への苦手意識が増した」というコメントもちょっと気になるところ。



第2回 9月24日

授業の流れ
・授業開始前に前回提示した発音のコツを5つ板書しておいた。
・出席カード配布
・前回のカードで寄せられたコメント等を読み上げ、必要に応じて解説など
・板書した発音のコツ5つに追加する形で今回分のコツを5つ提示。板書後、希望者は携帯電話のカメラで撮影記録させた。
1)何拍で読むかは母音の塊が何カ所にあるかを数える。ただし語末のeなどカウントに含まないものもある。
2)英語の発音は単語の最初に気合いを!(特に子音)
3)母音に挟まれた t はラ行の音
4)単語の最後の l はオの音
5)he, his, him, herや haveの最初の h の音が聞こえなくなることもある(読まない)
6)二重母音は二番目の音はなるべく弱く(上記1と関連)
7)tn, dn の音は t や d の口の形を作ってから、鼻から一気に空気を通す。
8)tl はt と lの間で舌の位置を変えない。(下の歯の周りに息を通す)
9)nt は t を読まない。
10)going to は「ガナ」、got to は「ガラ」。

・これらのコツを適宜確認しながら前回の発音プリントの復習と今回の発音プリントの解説、練習。
・教科書Chap. 1の音読、あとに付いて読んでみる、読めない単語のチェックなど
・教科書の問題を実施
・Chap. 2のPRW配布
・自己申告欄は「今日の授業中、どれぐらい頑張ったかを0%〜100%で。また、特にどの内容に関心を持ったかを自由記述で。」 

前回の出席カード記載のコメント・質問など(回答内容は省略)
・スラスラ英語をしゃべりたい。
・滑舌が悪いので発音は苦手です。
・教育工学はどんな学問ですか?(注:前回配布した授業シラバス補足事項プリントに自分の自己紹介欄に専門分野として記載していたので)
・ネイティブの発音ができるようになるとそれと同時に聴き取りの方も多少は上達するのでしょうか。それとも発音することと聴き取るのは別物でしょうか?
・英語の発音が苦手だから発音の音読テストが心配です。
・(発音には)舌の使い方等も欠かせない要素になるのでしょうか。
・発音は口に出す以外で練習法はありますか?
・「テキスト」の発音も日本語と英語ではたぶん違うと思います。(注:何拍で発音するか、という前回提示したテーマに関する乗っかり質問。)
・確かにこれまでの英語の授業は「いかにカタカナ英語っぽく発音するかのチキンレースだったと思う。それから脱却したい。
・「英語の発音は単語の最初に気合いを!」というルールで本場の発音に近い雰囲気が出せた!
・周りから聞いていた評判より全然良かったです。
・辞書で単語を調べても発音記号が分からず発音があやふやな状態で覚えがちだったので、この授業で覚え方を少しでも習得したいと思っています。
・最近ずっと洋楽を聴いて口ずさんでいます。しかしうまく発音できていない気がします。
・前期の成績の分布はどういったものですか。
・授業での居眠りは他の人には迷惑をかけないし、寝ている人が単位を落としたりするのでいいのではないかという話があるが、なぜ先生は居眠りはいけないと思うのですか?

※これらのコメントや質問にどのように回答したかが知りたい方はコメント欄、Twitter、Facebook、Google+などでご連絡下さい。可能な範囲でお答えします。

省察など
・前回の出席カードに「発音と先生自身のメガネとどっちが大切ですか?」というふざけた質問が書かれていた。冗談のつもりで書いているのかもしれないが、こういうのは大嫌いである。質問者の名前は出さずに質問内容をそのままを読み上げてから警告。
・この科目のテーマである「英語の音とリズム」をなるべく多く取りあげるには教科書の練習問題がちょっと余計な気がしてきた。音読と無関係な設問は解答をプリントでまとめて配布し、今後は類義語さがしと英文聴き取り穴埋め問題をやるだけにしようかな。



第1回 9月17日

授業の流れ
・出席カードを配布。
・Webシラバスの画面をプロジェクタで投影して授業の概要などを説明。この授業の後半で扱う日本語音声学の話も少々紹介。
・シラバス補足事項をまとめたプリントを配布して説明。
・以前2ちゃんねるのまとめサイトで見つけたこちらのページを紹介。このクラスではカタカナ英語だとダメだという話も交えながら。
・「こんなに違うよ文字と音」プリント1枚目を配布。片面だけいろいろな説明を挟みながらいろいろ音読練習。
・今日紹介した発音の仕組みは以下の通り。こんな感じで今後も毎回いろいろルールを紹介していく予定。
1) 何拍で読むかは母音の塊が何カ所にあるかを数える。ただし語末のeなどカウントに含まないものもある。
2) 英語の発音は単語の最初に気合いを!(特に子音)
3) 母音に挟まれた t はラ行の音
4) 単語の最後の l はオの音
5) he, his, him, her や haveの最初の h の音が聞こえなくなることもある(読まない)
・出席カードのミニアンケート欄には「英語の音と私」というテーマで一言書かせた。
・教科書Chapter 1の範囲のPhrase Reading Worksheet(日本語の意味が予め入っているもの)と教科書コピーを配布。ざっと意味を確認させてから、今日紹介した上記5つのルールになるべく従いながら音読練習。

省察など
・前期は受講者数が130名を超えたが、後期1回目に教室に来たのは39名(1年19名、2年10名、3年5名、4年5名)4月の履修登録人数からすると少なめだが、厳しいクラスだというような悪い噂が流れているのかもしれない。先制攻撃で「このクラスはウザい」ことを予め宣言しておいた。
・後期から出席カードの様式を変えてみた。特にこの授業では「言語・文化・教育に関する質問」を書きにくいような様式にしてみたが、なるべく授業中に紹介した英語発音のコツについてまとめさせるように仕向ける必要がありそう。しばらくは様子見だがうまく使えそうな印象あり。

(2012後期・月曜1限)ブリッジ・イングリッシュⅡ 授業記録

第15回(最終回) 1月21日

授業の流れ・省察
・復習プリント回収、出席カード配布(配布条件なし)、タイタニックのところの解説。
・今日の質問コーナーは前回リクエストがあった単元を中心に説明するだけで終わってしまった。この授業では第10回頃を境に、出席カードを配布する際の予習チェックを止め、予習をしていてもしていなくても、予習をやっているものと見なすことにしたのだが、やはりこの作戦はうまくいかなかったのかもしれない。前回リクエストが多数寄せられた単元は「名詞節と副詞節」「分詞構文」あたりのところだが、ちょうどこのあたりから予習チェックをしなくなっている。そのため、多くの学生が予習をサボるようになり、理解度もそれまでよりも低下することになったのではないだろうか。
・もともとこの授業では「予習」として、授業で扱う範囲の問題の答えを配布し、単純に教科書に答えを写してくるだけでもよいという形にしていた。これによって授業で扱う範囲に意識を向けさせ、教科書の説明の仕方とは少し異なる観点から講義形式で話し、その後で復習として、再度同じ内容をプリント配布するという流れにしていた。そして予習はUnit 1つを1点とし、復習はUnit 1つを2点としてポイント加算していったが、復習に比べたらコストパフォーマンスが悪く、またやってもやらなくてもやったことになる(このようにした理由の一端は以下の第9回の授業記録を参照)という甘えから、やらない学生が増えたのだろう。案の定、机間巡視をしながら数名の教科書の書き込み(これが予習作業)が欠落している学生がかなりいたような印象であった。
・何はともあれ、教科書の「名詞節と副詞節」「分詞構文」の範囲を中心に、前に取り上げた時の3倍ぐらいの進め方・端折り方で40分程度で解説。特に副詞の用法(なくても文構造には支障がない)を中心に、副詞の箇所を外しながら確認していく作業を繰り返し行った。これらの範囲の説明が終わった後に出席カードの自由記述欄で、この範囲について授業開始時よりも理解度が高まったかどうかを書いてもらったところ、そのように感じた学生が多かった様子。(本当はそれでは困るのだけれど。)
・小休止のあと、今日の本題で仮定法の範囲を扱った。「仮定法には裏がある(裏がないのが直説法)」という名言(迷言?)、「仮定法が文法書の最後で扱われるのはおかしい」というボヤキ、「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」という「謎のセリフ」を3行まとめて板書してから、仮定法過去と仮定法過去完了という文法用語の意味と絡めながら説明。また、教科書の例文や問題箇所に示されている日本語訳を使い、「裏の意味」を考える練習を行った。(出席カードに何も書くことがない場合はどれか3つの文で「裏の意味」を書かせた。)また時制を1つずらすことは日本語でも共通しているというところから、上記の謎の「セリフ」について紹介。そして以前の授業でも取り上げた助動詞の実現可能性の度合いと絡めながら説明。最後にwere toの構文とbe to不定詞が仮定法と直説法の関係になっていることを説明して終了。
・授業後に回収した出席カードを見ていて気づいたのだが、後期は月曜日が最後の授業ということで、4年次学生の中にはこの授業が学生生活最後の授業という者がいた。もっとも、卒業間際になってまだ卒業要件を満たす英語の単位数が足りず、学部の英語授業の中では最も初級レベルと言える内容の授業を取らなければならなかったというところは正直、勘弁して欲しかったのだが。



第14回 1月7日

授業の流れ

・復習プリント回収、出席カード配布(配布条件なし)、タイタニックのところの解説。
・大学指定のケータイ授業アンケート。今回は匿名。しばらくしてからリアルタイムで提出状況を確認しながら、回答の傾向、印象などをコメント。
・ミニレポートについて案内。提出用のフォーマットはこちら。(.docx形式)
・質問コーナーは30分ほど。12月17日に寄せられた質問を中心に。自由に調べさせる検索キーワードとして「自然言語処理」「サピア・ウォーフの仮説」「エスペラント」「人工言語」「ザメンホフ」「ノシロ語」と板書。また、iPhone用の翻訳アプリとしてVocreを紹介。
・教科書コーナー。「比較」の単元は考えるべきことや、中学・高校の英文法と比較してもさほど付け加えることがないので、補足的な考え方を説明しながら流す程度。as…as に関して「前のasは「同じくらい〜」のas、後のasは「〜と比べた場合に」のas」など。比較級と最上級の作り方のページは全体を音読し、音節数を意識させるために英語の音節の数え方についても説明。また、このページは先に復習プリントを配り、ここをディクテーションのような方法で埋めさせた。(形を考えて埋めるのではなく、音で聴いて埋めてから後で確認するというやり方。)
・自由記述アンケートは「もう一度解説してほしいUnitの番号や、具体的な文法事項があれば書いて下さい。」という形で指示。来週の質問コーナーはこちらを優先。結構教科書のあちこちでいろいろなリクエストが出てきたので、来週どういう時間配分にするかちょっと考えないといけなさそう。

質問コーナー(順不同)
・エスペラントはなぜダメだったのか?
・日本の大学もオンライン講義になりますか?なるとしたら何年後ぐらいですか?
・なぜ塾業界はドロドロしているんですか?高校の時も先生がそのような類のことを言っていたんですが。
・塾がもうかると言っていましたが単純になぜでしょうか?少子化が進んでいるのでそこまでもうからないような気がします。
・今、世界で教育の環境が一番いいのはどこですか?
・これから先、機械翻訳で自然な翻訳ができるようになると思いますか?
・指は手の4本はfingerで足はtoeと区別されていますが、親指はthumbで手足両方表現できるのですか?
・日本がJapanと呼ばれるようになったのはなぜですか?
・前置詞の話ですが、on は面や物と接しているときに用いられるものですが、糸などで間接的につるしている場合でも on は使えますか?
・言語が複雑化しすぎて誰からも使われなくなり、その言語が消滅するということはありますか?




第13回 12月17日

授業の流れ
・復習プリントを回収。出席カードの予習チェックなしで配布。タイタニックの部分の説明。
・質問コーナー。今日は若干長めで40分ほど。
・教科書コーナー。関係代名詞の復習をしてから関係副詞へ。自分が関係代名詞〜関係副詞を説明する時にはいつも「言葉の乱れにうるさい爺さん」が登場する。例えばHe is the man. Ann is living with the man. を関係代名詞でつなぐとき、He is the man whom Ann is living with. の文末に出てくる前置詞を「言葉の乱れ」と判断する立場。だから with は前に持ってきて with whom としないといけない、というように話を持って行く。もちろん「言葉の乱れにうるさい爺さん」は架空の人物だが、こういう小話を挟むことで少しでも記憶に残ればいいなあ、と考えている。そのほか、関係詞関連のいくつかの話として、whoseは「そしてその持ち物の」と捉えることや、言語類型論的には日本語の関係詞と英語の関係詞は大きく違うということについて。また、日本語話者が特に関係代名詞の所有格が理解しにくいことは言語類型論から説明できる、みたいな話も少々。
・出席カードの自己申告・ミニアンケート欄には「年明けのあと2回、頑張って出席できるか?やる気はあるか?」という質問にしてみた。実際のところ、このクラスは授業中の全ての活動をポイント換算しており、学期途中でも中間成績を配布しているので、既に6割を超えている学生も少なくない。以前、同じ授業を後期に担当したときは最後の2回は出席率が非常に悪かったのだが、そうなって欲しくないという願いも込めつつ。学生からの回答ではほぼ全員が「がんばれそうだ」みたいに書いてくれたが、中には「これ取らないと留年なんです!」という悲壮の声も…。そして今日の出席者28人中3人からは「出席しない」との声も…。(冗談であってほしいところだけど。)最終回は「これまでの仮定法のイメージが変わる話」をする予定なので。

質問コーナー(順不同)
・英語を勉強しない国はありますか?日本語を勉強している国はどこですか?
・どこかの企業は社内での会話を英語で話すというのを聞いたことがありますが、それは本当ですか?
・アメリカ人とイギリス人は顔を見ただけでどっちの人か判断できるのでしょうか?
・日本には敬語がありますが、敬語はどの言語にもあるのでしょうか。
・日本語のような敬語は他の国にも存在するのですか?
・この前「ピングー」という海外の子供向け番組を見たんですが発音が速すぎてマジで何言ってるか理解できませんでした。海外の子供たちはあんな超速言語で聞き分けられているのでしょうか。
・関係代名詞が簡単に思える教え方があるのに高校などで文法をする意味はあるのでしょうか。
・海外のお笑いはドッキリが中心なんですか?
・日本語においては「ひらがな」「カタカナ」「漢字」、英語においては「アルファベット」というように文字に名前がありますが、ロシア語の文字にも名前はありますか?ёやйのような文字に名前はありますか?携帯では「記号」の中に入っているような文字です。(補足:この話からどんどん脱線して、共訳で参加した『図説 ことばの世界』からアルファベットの起源のページを書画カメラで提示し、そのあとで数日前にTwitterで見かけた мёЯЯЧ CнЯIsтмДs という「記号」による絵文字の話を少々。)
・iPhoneやスマートフォンの日本語を話すと翻訳したい言語に翻訳し、音声で返してくれる機能がありますが、これがあれば外国語の教師が必要なくなるという危険性はないのですか?
・就職活動をしていたら教育関係の会社と接触する機会がありました。そこで質問なのですが、先生は塾などの教育関連の会社(機関)をどう思いますか?今やたくさんの生徒・学生が一度は携わっていると思います。学校教育では限界があるのでしょうか。必要性なども含めて先生の個人的見解を聞かせてください。
・英語が絶対に必要だ!と言われる今の社会ですが、いつから英語がこれほどまでに重要視されるようになったのでしょうか。
・every dayは2語で記すのが正しいですが、every bodyと書かないのはなぜですか。
・先生は教師という職業に就いた今でも学生時代もっと勉強しておけばよかったと思うことはありますか?



第12回 12月10日

授業の流れ
・復習プリントを回収。出席カードは復習プリント提出の際に自由に取っていくという形で配布。もうこのまま年度末まで予習チェックなしで通してもよいと思っているところ。
・タイタニックの箇所を説明。
・質問コーナー。今日も30分以上。相変わらず質問が多いのは嬉しい悲鳴。
・教科書コーナー。分詞構文の箇所を「〜ing形」の本質的な意味と絡めながら6つの用法に共通する意味を中心に説明。そのあとで関係代名詞を使った文のつなぎ方をルールを板書しながら説明。出席カードのミニアンケート欄に縦線を入れ、左側に関係代名詞のこれまでの理解度、そして右側に今日の授業を聴いての理解度を数字や言葉で書いてもらったが、当然のことながら数字が理解度が上がったと書いてくれた者がほとんど。復習プリントをやる際にも、授業に出てちょっと分かるようになったという「成功体験」があれば、復習で一層理解度も上がるだろうと考えたので、一種暗示のような効果も狙ってみた。もちろん既に関係代名詞は一通り理解できているという学生や、授業で話を聞いてもやっぱり分からないという者もいたようだが、後者には予習をきちんとやっていないという者も含まれるのだろう。
・次回は関係代名詞の復習から関係副詞まで進める予定。

質問コーナー(順不同)
・日本では朝昼夜であいさつが別ですが、アメリカでは関係なくHelloと言っている気がします。Good morning. なども使っているのでしょうか。
・学力世界一なのはフィンランドと言われていますが、どのような指標で測っているのですか?また、日本人の学力を向上させるためにはどのようにしたら良いと考えますか?フィンランドも日本のようにゆとり教育を実施しているらしいですが、なぜ成功したのですか。また、なぜ日本は失敗したのでしょうか。
・ゆとり教育について先生の意見を聞かせて下さい。
・アメリカでは一流大学によるオンライン講義が流行しているそうです。日本にはありますか?有用性は何でしょうか。
・英語話者や洋楽など(原文ママ)がLOLという言葉を使っていますが、これは何かの略語か何かですか。あと、他にも似たような使い方をする言葉があれば教えて下さい。
・なぜ国や地域で言葉は違うのでしょうか。全ての国が統一の言語にならなかったのでしょうか。
・海外へ行った際に言語の違いと文化の違い、どちらの壁が厚いでしょうか。私は海外へ行ったことがないので気になります。
・日本語と同じような文法をもつ言語は何かありますか?
・3単現のsはなぜ付くようになったのでしょうか?
・get home と go homeの違いは何ですか?
・英語にしりとりはありますか?
・外国人と結婚すれば名前はどう変わるんですか?
・今、日曜日の夜9時に航空会社をテーマにしたドラマが放送されています。ドラマとはいえパイロットや管制官は常に英語でやりとりしています。実際の航空会社では入社するにはどの程度の英語が必要ですか?
・いつも質問コーナーの質問を調べずに言っていると言っていましたが、その答えてる分の知識はいつどうやって得たのですか?
・世界で一番治安が良くて住みやすい国はどこですか?
・LINEや他のアプリで英語の翻訳機能があるものが存在しますが、あれは正しく翻訳されているのですか?



第11回 12月3日

授業の流れ
・復習プリントを回収。
・任意提出のレポートを返却。採点基準などを説明。
・タイタニックの箇所の説明。
・質問コーナーの前に出席カードを配布するはずなのにうっかりそのまま質問コーナーを始めてしまった。ほとんど質問コーナーも終わりかけの頃に出席カードの配り忘れに気づいた。「乗っかり質問」が書きにくかったかもしれない。それでも手元にメモを取りながら話を聞いてくれた学生も多かったようで、質問件数はいつもとあまり変わらなかった様子。所要時間は35分程度。毎週解答しきれない質問が多く、是非とも答えたいと思いつつ残してある質問で最古のものは11月12日の授業の時のものだが、今日はあえて先週の質問あるいは先週の質問コーナーに関係のあるもののみに限定して解答した。
・教科書コーナー。今日は集中的に「副詞」を攻めてみた。この授業でよくやっている方法だが、教科書の冒頭部分から副詞の役割を確認しながら、副詞・副詞句・不定詞の副詞的用法・副詞節が出ている箇所を全部チェック。そして最後に分詞構文まで。(出席カードへの自由記述で「副詞の意味がようやく理解」というコメントがあったのは大成功!)分詞構文は6つの用法に共通する意味として「同時性・同一性」という切り口から説明したが、ちょっと尻切れトンボ気味だったので(〜ing形の本質的な意味と絡めて話すことができなかった)次回はこのあたりから。そして次はいよいよ関係代名詞。教科書では副詞節を分詞構文を使って書き換える手順は詳しく書かれているのに、次の関係代名詞の単元では2つの文をつなぐ手順については何も書かれていない。高校レベルと中学レベルの違いなのだろうか。関係代名詞を使って長い英文を作ることができないという大学生はとても多いのに。(文法学習でマーク式問題ばっかりやっている弊害か。)
・授業の最後に出席カードのミニアンケート欄に「英文法を勉強するための方法は見えてきたか」という観点で自由記述してもらった。35人の出席者のうち、「まだ見えてこない」というようなコメントは2名だけ。少しずつでも彼らなりに何かが見えてきている状況の様子。良いことだ。


質問コーナー(順不同)
・毎回質問コーナーに答えるために調べてきたりしているのですか?
・言語獲得についてもう少し詳しく教えて下さい。
・日本語の起源は?
・言語学者はどのようなことを研究しているのですか?
・日本語のトマトは逆から読んでもトマトですが、英語だと逆から読むということば遊びみたいなのはあるんでしょうか。
・英語の筆記体も国によって癖が違ったりするのですか?
・公共の文書で手書きでaやg(注:手書きの字体)を"a"や"g"(注:教科書などで使われるフォント)と書いてはいけないものなのですか?
・プログラミング言語も国によって違うものなのですか?
・英語で日本語の「人々」や「国々」の「々」のような使い方ができる単語はないのですか?
・"right"には「正しい」や「権利」などプラスの意味がたくさんありますが、逆に"left"にはマイナスの意味はありますか?
・外国人でもなまりや〜弁があるんですか。
・アメリカ人が仏教を理解することは可能ですか。
・世界には親日と反日のどちらが多いんですか?
・現在の公用語は英語ですが、その前は何の言語だったんですか?ラテン語とかですか?
・洋画には日本語字幕があるように、邦画には英語の字幕はあるんでしょうか。また、あるなら字幕を付ける時に何か制約があるのでしょうか。
・英語は他の言語より比較的に楽なのは本当ですか?




第10回 11月26日

授業の流れ
・先週木曜日を提出期限としていた任意レポート、任意という名前の割には提出が多く、採点が間に合わなかったため返却ができなかった。(先週末の出張も影響している。さらに言えば今朝、授業前に採点しようと思っていたのだが、通勤経路のバス・電車・バス全てが雨天と渋滞で遅れ、授業前の時間が全くとれなかった。)
・復習プリントを回収してタイタニックの箇所の説明。
・予習チェックは自己申告にした。全員同じ出席カードを配布して、予習したら予習したと右上に書くように指示。
・質問コーナー。今日はいつもよりも若干短めで30分ほど。
・出席カードのミニアンケート欄はこの授業をARCSモデルのA(注意を向けている), R(自分の興味と関連), C(自信がついた), S(満足している)の4つの観点で評価してもらうことにした。結果は後述。
・教科書コーナー。前回板書した図(第9回参照)を再度書き、そこに今日の内容を説明しながら追記していった。最終的にこんな板書が完成。(前回同様、これだけ見てもよく分からないと思うけど。)

・「名詞節と副詞節」の復習プリントと次回の「分詞構文」の箇所の解答を次回までの予習用として配布して終了。

質問コーナー(順不同)
・先生が海外で最も驚いた文化の違いを教えて下さい。
・洋画を英語で見ると少しは英語を話せるようになれますか?
・英語話者の話し方が速いのはなぜですか?
・なぜ不規則動詞はあるのですか。edなどで全て表してはいけないのですか?
・ある番組のコーナーでロザンというお笑い芸人が道に迷っている人を案内するというものがあるんですが、そのコーナーでよく外人の観光客を相手にして中学レベルの単語を並べただけである程度会話ができていたりするのですが、ある程度、文法の法則を無視しても会話は成立するのでしょうか。
・日本だけでなく世界中で「グローバル化」が推進されていますが、どうしてグローバル化が始まったのでしょうか。
・現在の標準語は英語だが、英語が通用しない国が存在したりするのだろうか。
・様々な国にある「方言」はどのようにして生まれるのですか?東西ドイツ分離といった数年〜数十年でも言語に変化はあるのでしょうか。
・日本人の子供は日本語が覚えやすくて、アメリカ人の子供は英語が覚えやすいなど、遺伝子によって言語が覚えやすくなるということはありますか?
・前回の講義で英語の文法の全体図を見ましたが、分詞構文やら見ただけではあまり意味がわからないような表現が大量にあるな、と改めて思いました。やはり他の言語でも分詞構文などといったような表現の方法はあるのでしょうか。

学生のA/R/C/S(注意を向けている/自分の興味と関連/自信がついた/満足している)による評価より
・学生ごとに書き方がいろいろであるが、「ARCS全てを満たしています!」というありがたい評価がある一方で「A:× R:× C:× S:×」と書いた学生がいて、ちょっと気になるところ。その割にはこの学生も毎回の出席カードへの記入はそこそこ書けているんだけどねえ。(ある程度AとRがないとこれだけのことは出席カードには書けないはずだが…アンケートで全て「1」を選ぶタイプの学生?)
・やはり「まだ自信はついていない」という意見が多い。(例えば「ARSは満たすがCだけ満たさない」「注意を向け、興味深く、満足しているが、自信はついていない」というコメントなど)それでもあきらめずに少しずつやってくれれば…。
・「ARCSのRとSがいいです」というコメントはどう判断しようか?あまり注意は向けていないけど面白いからいいや、という意見?ま、それでもいっか。
・「ARCは英語が嫌いなのであんまりだがSは満足です。」という意見もイイネ!
・自信がついたという例では「もう一度中高で習った文法を別視点から学ぶことで自信がついた」という意見があった。まさにこの授業の狙い通り。



第9回 11月19日

授業の流れ
・復習プリント回収。今回はUnit 3つ分もあるので相当な回収枚数になった。でもよく考えたら前期の同じ授業は受講者数も3倍以上いたので、提出物のチェックも3倍以上の手間がかかったはず。その点、今回はかなり楽。併せて11月22日を〆切としている任意提出のレポートについても回収。
・教室を巡回しながら予習チェック。このとき、重大な不正行為が発覚したが、その詳細は後述。
・出席カードの自由記述欄に早速アンケート。この授業も早いもので9回目ということなので折り返しを過ぎたことになるが、この授業の後半戦をどのぐらい頑張るか、決意表明を書いてもらって近所の人と見せ合って確認。
・いつものようにタイタニックの部分の和訳と設問の正解を口頭で説明。
・質問コーナー。20分に収めようと思っても30分になってしまうのはいつものパターン。
・教科書コーナー。前回、動名詞と不定詞を扱い、今日のテーマは分詞なので、準動詞の全体像をまとめて扱うには最適のタイミング。まずは名詞・形容詞・副詞について説明してから、それぞれの句と節、不定詞の3用法を一覧表としてまとめてから、不定詞の名詞的用法について説明。続いて形容詞的用法と副詞的用法の概略。不定詞の名詞的用法の横に動名詞、その下に分詞と書き、教科書のUnitの番号を丸数字で書き込んでそれぞれのページの内容を説明してから、さらにそれぞれの関係が分かるようにした。その他、この授業でこれまで説明してきたキーワードなどを適宜盛り込み、最終的に以下のような板書が完成。
(これをそのまま完成品として見ても分からないだろう。どのように書き加えていったかの順番が大切だと思う。こういう教材提示の仕方をカーン・アカデミー風に動画にまとめてみたいのだが…)
・分詞の範囲の復習プリントと次回の「名詞節と副詞節」の箇所の解答を次回までの予習用として配布して終了。

授業時に発覚した不正行為について
・授業開始時の予習チェックの際にとある学生の重大な不正行為が発覚。ただしこの不正行為に関しては見て見ぬ振りをすることを学期はじめに宣言している。
・この授業では予習として前の週の終わりに次の週で扱う範囲(回によってUnit 1つ〜3つを指示)の解答を配布し、教科書の英文法問題(記号問題は全くなく、必ず単語や英文を書き込む問題ばかり)の答えを予め埋めておき(自力でやってもよいし、解答を写すだけでもよい)、それをもとに教科書とは違う観点からの英文法の捉え方の講義を聴き、再度教科書と同一内容をプリント配布し、翌週までに再度埋めてくる(この時も自力でやってもよいし、解答を写すだけでもよい)という形、つまり同じ教材を2回ずつやりながら進めて行くことにしている。そして予習分はUnit 1つにつき1点、復習分はUnit 1つにつき2点という計算にしており、教科書は22課あるので、予習分と復習分で成績の66点分ということになる。
・このうち、復習プリントは一人ずつ提出を求め、チェックした提出物は返却もしないので、不正行為は難しいが、予習は教科書への書き込みを指示している。しかしこの授業は今年度前期にも同じ教科書を使った授業をやっている。(また来年度も前期・後期とも同一教科書を採択する。)このため、学生の中には前期に別の学生が書き込みを終えた教科書を教室に持ち込み、それを自分自身が予習したかのように見せかけ、予習分の点数を騙し取ろうとする者もいる。
・これまでにも怪しい動きはあった。学生が所有している教科書で、予習として指示した箇所よりも遙かに後ろのページに書き込みがあるのがちらっと見えたことがあった。まだそのぐらいなら可愛げ(?)があるのかもしれないが、今日遭遇した事例はひどい。学生の机の上には教科書が2冊。そして予習チェックしながら巡回している時、指定したページを開かせたら何も書き込みがなかったので、予習していないことがわかる出席カードを渡そうとしたところ、「教科書を間違えました」と言って、筆跡の異なる字でびっしり全ページの書き込みができている教科書から指定したページを開こうとしていた。あまりにも稚拙な「不正行為」で失笑ものだが、想定の範囲内でもあったし、学期始めから宣言していたように今回の件も見て見ぬふりをすることにして当該学生には予習をやったことが分かる出席カードを渡した。(実質的には今回の予習として指示した範囲はUnit 1つ分しかないので、成績でも1点しか違わない。ほぼ誤差の範囲と見てよい。)
・学期始めに配布したシラバスの補足資料で書いた内容は次の通り。「前期の受講生からプリントの答えや全て中身が書き込まれた教科書が回ってくるかもしれません。前期の人が使った教科書には全て答えが書いてあります。これをもって後期の受講生が予習したことに代えることについては見て見ぬふりをします。しかしそういうことをしてせっかくの再学習の機会を汚すようなことをする人を心から軽蔑します。復習用プリントはどのみち書いて出してもらわないとポイントがつきませんので、最低でも1度はやってもらうことにはなるでしょうけど、そもそもこの授業は全ての問題を2回ずつ考えることを目的としていますので、そのうち1回を他人の力を借りてやることには全く意味がありません。おそらくそういうことをやっている人はきっとどこかでむなしくなって途中でこの授業に出てこなくなるでしょう。悪魔のささやきに負けず、強い意志を持って、今からの半年間で英文法の全体像をマスターしてやるつもりでこの授業に臨んで下さい。」
・当該学生(と、その他の不審な挙動が観察された学生たち)は「悪魔のささやき」に負けたのだろう。それとも初めからサボるつもりだったのだろう。こういう学生のことは叱ったりはしないが、上述の通り、心から軽蔑することにしておく。でも見捨てることはしない。

質問コーナーで取り上げた質問(順不同)
・小・中・高・大の中で一番教員免許を取るのが難しいのはどれですか?
・日本では手話がありますが、他の国でも手話はあるんですか?
・英語には手話とかあるんですか?
・なぜ中国はあんなに日本を嫌っているのですか?かつて両国間で何かあったんですか?
・外国人が使う「アイアイサー」とはどういう意味ですか。また、英語で書くとどうなりますか?
・日本と同じように母国語に漢字が混ざって使われている国は他にありますか?
・日本では成績が悪くても義務教育の段階ではエレベーター式に学年が上がっていけるものですが、他国も義務教育の段階での留年はないのですか。また逆に飛び級がある国があれば教えていただきたいです。
・語学系の大学院では具体的にどのような勉強ができるのですか。文学系の英文学科は古典などの研究をすることは想像がつくのですが、語学系の英語学科はどのような講義を受けることになるのか教えていただきたいです。
・人間がこれから先、進化するとしたらどのように進化すると考えられますか。今現在では人間が一番脳が大きく知能が発達していますが、何か他の動物が人間の知能レベルを超すような発達をするようなことはあり得ますか。
・日本の結婚式はお寺の場合と教会の場合がありますが、この風潮はなぜですか?そしてアメリカは教会のみですか?
・ネアンデルタール人の五十音表みたいなものはあるのですか?
・親が何かしらの資格を大学のうちに取ることを勧めてくるのですが、資格を持っていると就職の時に評価されますか?
・人間の体の構造で肺の機能などで言語は発達しないという話をしていましたが(注:文脈不明)言語学ではそういうことも学ぶのですか?
・近々父が出張でインドネシアに行きます。そのために父がインドネシア語を勉強していたので少し本を見せてもらうと英語やドイツ語などと似ている部分がありました。これはインドネシアの歴史などにも関係あるのでしょうか?
・教育工学はどのような形で英語教育に役立っていますか?
・和訳をする宿題があったのですが、私はいつも直訳しすぎて日本語がぎこちなくなってしまいます。何か日本語を自然に訳せるコツを教えて下さい。



第8回 11月12日

授業の流れ 
・成績の中間集計を個人票にして配布。この科目は予習、出席カードへの記入、復習プリントの提出が全てポイント化されて毎回記録されるので、特にこれまで復習プリント提出をサボってきた学生は既にこの時点でほぼ挽回不能レベル。(これから残り7回の予習+出席カード記入+復習プリント提出+レポート2回を満点評価という状態でもぎりぎり60点に足りるかどうかという状態なので。)早めに引導を渡すことにした。もちろん授業に出てきてもらうのは全く構わないけど。
・いつものように復習プリント回収(Unit 10)と予習チェック(Unit 11〜13、ただしUnit 11の最初のページのみをチェック)。そして復習プリント範囲のTitanicの部分の説明。
・質問コーナー。今日も目標は25分以内ということにしていたが、35分ほどかけてしまった。今日は質問コーナーで参照・紹介するために教室に持っていった本が結構多くて大変だった。いろいろ質問が多かったけど、何とか持っていった本を使っての説明は消化。でも相変わらず先週分だけでなく先々週分の質問も全て答え切れていない状態なのだけれど。(ここ最近ボツ質問も増やしているが、それでも追いつかない。)
・教科書コーナー。まずは完了形のところの復習。「今日の迷言」として「haveというからには何か持っているに違いない」と板書し、「何か」の下に(=経験)と書いた。これを元に完了形の4つの用法を説明。さほど時間はかけられなかったが、この内容をそのまままとめれば任意提出のレポートの題材になるように説明。そして今日のメインテーマである動名詞と不定詞の違い。ここでは動名詞の単元のところに書いてある例文を不定詞に置き換えて書いたらどうなるかという違いを中心に説明。また、前置詞の後が動名詞になるというおなじみのルールも「どうしよう、どうしても動詞だ」などという毎年繰り返されるダジャレを挟みながら説明。最後に不定詞の3用法を全てtoの持つ意味から考えるということで、「〜の方向に向かう」という意味を念頭に教科書の不定詞に関係する例文をいくつか抜粋しながら説明。
・次回は分詞に入るので、再度、動名詞と不定詞の違いについて説明してから、今度は動名詞と現在分詞の共通点や進行形との関係などについても扱う予定。
・うっかり出席カードの自由記述欄の設問を考えるのを忘れていたので、今日は無記入での提出ということにした。

質問コーナーで取り上げた質問(順不同)
・知的好奇心があまりないんですが、なにか知的好奇心を持てるようなものはないですか?
・やはり海外にいきなり移動するのは間違いでしょうか?(注:ちょっと意味不明な質問でしたが)
・イギリスのご飯っておいしいですか?
・旧情報と新情報についてですが、新情報は文の後に現れやすいと書いてありました。ですが、説明が下手な人などは新情報を前の方に持ってきてしまったりすると思われます。このような場合でも文章として直す場合は、通常通り新情報を後ろに持っていった方がいいのでしょうか?
・ふと思ったのですが、どうして高校からは義務教育ではないのに高校入試や大学入試に対して必死になるのだと思いますか?
・日本では英語の勉強に英語の新聞を読むことを薦めたりしていますが、アメリカでは日本語の勉強方法で日本の新聞を薦めたりしているのでしょうか。
・3人称単数のsについて、英語圏の人々はどのような感覚でsを使っているのでしょうか?
・二つで一つのものを英語で書く場合には(三単現の)sは付くのでしょうか。
・I'm loving it. は中学の時は「好きになっている途中」という和訳で教えてもらいました。これは間違っているのでしょうか。
・留学するとしたら先生はどのぐらい滞在する方がいいと考えますか?
・英語がスラスラはなせるようになるためには留学した方がいいのですか?
・日本語が一番簡単な言語ではありませんか?
・日本語には「ゐ」「ゑ」など現在では使われなくなった文字がありますが、英語にはこういった旧字はあるのですか?
・大阪工業大学は university と college のどちらに当たりますか?(→どちらでもない。institute)
・東京大学は The University of Tokyo と表記し、京都大学は Kyoto University と表記されていますが、大学のシステムによって英語の大学名の違いが出ることがあるのですか?
・You and I という語順はよく目にしますが、I and you は見たことがありません。これは失礼な表現になるのですか?
・英語の数え方の一つに「シングル」「ダブル」「トリプル」…がありますが、4以上の表現の仕方を教えていただきたいです。(→以前ブログ記事に書いたものを紹介)
・フランス語の数体系を聞いてびっくりしました。なぜあんなに面倒な表現になったのでしょうか?
・母語で外国語を教えるのと習いたい外国語で教えるのではどちらが言語習得がより早いですか?
・言語はいつ生まれたのですか?私たちが生きている間に新しく言語を作るのは絶対にできないと思います。いつのどのような瞬間に言語が生まれたのかとても気になります。
・先生は世界で一番治安の悪い国はどこと思いますか?(→外務省の海外安全ホームページを紹介)
・英語は全世界で何カ国ぐらいで使われているのですか?
・なぜ英語には縦書きは存在せず横書きだけなのでしょうか。
・なぜ英語には敬語が存在しないのですか?昔は存在していたのですか?
・スペインのカタルーニャ州では独立運動が広がっており、州ではスペイン語を廃止してカタルーニャ語を広めているそうですが、カタルーニャ語が話せない子どもはいじめられたりしているとのこと。先生はこのニュースはご存じですか。ご存じでしたらカタルーニャ語のことも関連して感想などお伺いできたら、と思います。
・初めて日本に外国語が入ってきたとき日本人はどのようにして対応したんでしょうか。私たちは生まれた時から身近に英語がありましたが。



第7回 11月5日

授業の流れ
・宿題の復習プリントを回収。Unit 7〜9を受付。
・予習チェックはUnit 10のみ。出席カードを区別して配布。今日の予習範囲は1課分だけだったのでいつもよりも多くの学生がやってきていたような気がする。
・Unit 8〜9のTitanicの部分の和訳と設問の答えを口頭説明。
・任意課題のミニレポートについて説明。今日の授業までの平常点・課題点の中間集計を次回個別配布する予定なので、それを見てから提出するかどうかを決めても良いことにした。
・質問コーナー。いつもよりも少しだけ減らしたが、それでも30分程度。もうちょっと減らしても良いと思っているが、学生から「短いくらいだ」とのコメントも…。
・教科書コーナー。質問コーナーを減らしたので、今日話すべきことは全て盛り込むことができた。Unit 8の第5文型の話から開始。第5文型を理解するには3つの山があるとし、(1)補語にto不定詞を伴う場合(「時差が生じる」と考える) (2)補語が原型の場合と〜ing形の場合の違いについて(原型の場合は「最初から最後まで」、〜ing形の場合は「途中の一瞬」) (3)使役や許可を表す表現(have, make, let)の3つに分けて適宜例文を引用しながら教科書に沿って説明。続いて予習範囲の完了形の範囲については、現在完了、経験、結果、完了、継続という文法用語そのものに問題があることを述べた上で(多くの中学生が「完了の継続」という説明の仕方に引っかかる)4つの用法は全て「経験を持っている」という意味にまとめることができるという形で説明。ここでは別ブログの記事で書いたhaveの多義性の話と絡めて紹介。この記事の検索方法を説明(「吾輩 have」でググると出てくる)したところ、実際に一部の学生はスマートフォンから当該記事を読みながら話を聴いてくれた模様。
・次回までの宿題はちょっと分量が多いが、Unit 10の復習とUnit 11〜13の予習。
・出席カードの自己申告・ミニアンケート欄は「教科書のUnit 0〜10をぱらぱらと眺めてみて、だいたい理解できているUnitの番号を羅列」するように指示。全てのUnitについて、大丈夫という学生も2割程度はいるようだが、まだやはりどこか苦手なところをそれぞれ抱えている様子。予習・復習をサボっていたのであれば仕方ないが、これらをきちんとやってもまだ理解できていないところがあるのなら、是非早めに解決して欲しいし、こういったことこそ質問コーナーで尋ねて欲しいものである。

質問コーナーで取り上げた質問(順不同)
・英語の発音に似ている言語はありますか?
・日本語の発音に似ている外国語はありますか?
・日本人以外に日本語をよく勉強している国はどの国ですか?
・Do you...? の Doの品詞は何ですか?
・There is... の構文は1文型ですが、Thereは副詞なのになぜ主語になれるのですか?
・モンゴル人力士は日本語を流暢に話しているように思います。人種と言語に関して関連性はあるのですか?
・話者人口はどうやって数えているのですか?
・なぜ知的財産学部には第2外国語の授業がないのですか?
・外国における日本語の授業があるとすれば、それは一体どんなものなんですか?日本における英語の授業に等しいようなものでしょうか。
・英語の教師になろうと思った理由は何ですか。
・洋楽以外に外国語の曲を見ない気がするんですけどなぜでしょうか。
・言語と顔は関係していますか?例えば日本人が英語で日常会話を長年続けて行けば少しホリが深くなるなど。逆にアメリカ人が日本語を日常会話で使っていたらアッサリした顔になるなど。
・日本人の名前をローマ字で読む時、英語話者が苦手な音はありますか?
・先生の授業スタイルはオリジナルですか?それとも昔教えてもらった先生のを基本にして変えて行っているのですか?
・もし世界中の言語が1つの言語に統一されたら世界はどうなりますか?
・少し話が飛びますが、地球のような惑星があったとしたら、やはりコミュニケーション手段は言語なのでしょうか?またはジェスチャーなど?(補足:ここでは筒井康隆『関節話法』の話を紹介。あらすじはこちらのページに書かれています。ちょっとネタバレ気味ですが…。)
・日本はどうして教育にお金をかけないんでしょうか?
・言語を1つ覚えたいのですが、一番覚えやすいのは英語・中国語・韓国語ではどれだと思いますか?
・先生はどのようなことを研究して発表しようと思っているのですか?
・就職制度について、日本は今の制度から変えることができないのでしょうか?
・英語で数字を数える時、10〜19はsixteenのように6を先に言いますが(原文ママ)20〜はtwenty fourのように一の位は後に付きます。何か由来みたいなものはあるのでしょうか。たまたまですか?(補足:フランス語のquatre-vingt-dix-neuf(99)という数字の構造について簡単に説明。言語によってさまざまだが、日本語の数詞体系は世界の言語の中ではかなり単純な部類に入ることも説明。)



第6回 10月22日

授業の流れ
・宿題として課していた前回範囲の復習プリントを回収。予定進度から若干遅れ気味なので、今日はUnit 6だけの提出も可ということにしたが、ほぼ全ての学生がUnit 7も提出。
・通常なら予習チェックは巡回して行いながら2種類のカードを区別しながら配布するが、今日は全員一律で押印のあるカードを配布。予習をしてきたかどうかを自己申告させることにした。予習していない場合は押印部分を塗りつぶす形。
・出席カードの自由記述欄の中央に縦線を入れて2つに分割し、左側に授業開始時点での「やる気」を自由記述または%で記入させた。5%〜100%までいろいろ。中には「やる気ビンビンだぜ、俺!」という自由記述も。
・復習プリントのTitanicの部分の和訳と設問の答えを口頭で説明。Unit 7も説明した。
・質問コーナー。前回の授業アンケートで質問コーナーを減らして欲しいという旨の回答があったので、いつもよりも5分ぐらい減らしたが、それでも35分間が質問コーナー。(今日の出席カードでは「質問コーナーは減らすな」という意見も寄せられたのが悩ましいところだが。)
・教科書コーナーは少々遅れ気味なのでちょっと急いで進めたが、若干詰め込みすぎた感あり。まずは前回説明した〜ing形と過去分詞の本質的な意味をおさらいし、I'm lovin' it! の話も再度簡単に説明。能動態と受動態の書き換えは「話題として優先されるものが前にくる」という説明および「旧情報と新情報」というキーワード紹介。第4文型と第3文型の書き換えの時もそうだったが、書き換えたら意味が変わるという点についても掘り下げた。(このあたりは学期中間のミニレポートのネタとして使う予定。)また受動態と完了形には共通点があるというネタ振り。(これについては次回、完了形を扱う時に説明予定。)また、第5文型のところではネクサス構文について少し説明してから、認識動詞の補語でのto beなど「時差がある」時にtoが出てくるという話を紹介。残念ながら時間が足りず、第5文型のもう一つのポイントでもある補語が動詞の原形になる場合と〜ing形になる場合の違いを掘り下げるところまではできなかった。(教科書では「〜する」と「〜している」という日本語訳の違いでのみ説明しているのが惜しいところだが、次回これらを「最初から最後まで」と「途中の一瞬」の違いとして説明する予定。)
・最後に出席カードの自由記述欄の右側に授業終了時点での様子を自由記述または%で報告して終了。開始時よりも数字が下がっている者も。ちなみに上述の「やる気ビンビンだぜ、俺!」と書いていた学生は「しんどい」と書いていた。ネタのつもりか?

質問コーナーで取り上げた質問
・VELCテストはどのぐらい普及しているものなのですか?
・日本などで信仰されている仏教と韓国などで信仰されている儒教は似ていると思うのですがどのような内容の違いがあるのですか?
・IやYou以外に一人称、二人称を表現する言葉はないのですか?
・赤ん坊の代名詞をitで表された文章を読んだことがあるのですが、言語学的には he / she とどっちが正しい表現ですか?また公的な発言の場で動物を he / she で表現することはよくないのですか?
・日本語は世界の中でどのような認識なのでしょうか。一説には日本語・韓国語は難しいとされているようですが。
・先生はいくつぐらいから学問との相性が良かったのですか?
・英検は持っていた方が良いですか。
・先生から見てアメリカ人の民族性はどのようなものですか。
・言語的な仕組みが似ている言語はありますか?
・先生が学生に英語を教える時に難しいと思う英語の範囲、文法はありますか?
・先生は日本の中学・高校の英語の勉強についてどう思いますか?
・なぜ日本のクラス人数は他の国と比べて多いのですか?
・TOEICを持っていると就職に有利というのは分かりますが、持っていないとそれだけで落とされたりするのでしょうか?あまり英語を使わない企業とかでも最近はそのようなことがあると聞きました。
・他の国では虹は何色ですか?
・先生は何をきっかけに英語に興味を持ちましたか?
・先生は10000時間以上英語を勉強しましたか?
・先生は小学生の頃どの分野の英語を勉強していましたか?
・英語をしゃべれるようになって得したことはありますか?
・日本のことわざはアメリカでも使われていますか?
・日本のアニメやマンガは日本語を広めることに役に立っていますか。
・なぜ複数の時には s が付くのですか。3単現の s は何のために付けているのですか。別に付いていなくても問題ないと思うのですが。
・8文型では消してもいい副詞と本当は要るんじゃないかという副詞があると話していましたが、私は副詞が全部あってもなくてもいいように見えます。見分け方を教えて下さい。

省察
・出席カードには授業前・授業後にやる気%を書いてもらったが、授業中の様子を見る限りでは今日はどうも元気がなさそうに見える学生が多かったような気が…。



第5回 10月15日

授業の流れ
・宿題として課していた前回範囲の復習プリントを回収。授業開始時刻をちょっと過ぎた頃に来た学生の分までで締切。
・予習チェックとしてUnit 6〜7範囲への書き込みがあるかどうかで異なる種類の出席カードを配布。今日は最初のページだけでチェックすることにしたが、それでも最初のページの途中までしか書いていない者、全く書いていない者も相変わらずかなりの人数いる様子。ポイントが足りなくなって単位取れなくても知りませんよ。
・復習プリントで授業では扱わないTinanicに関する英文と設問への回答の箇所について、和訳と設問の答えを口頭で説明。
・出席カードの自由記述欄に早速記入。今日の質問は「前回5文型のルールを紹介し、これに基づいて復習プリントを埋めてくるように指示したが、何か新しい発見はあったか、5文型に関して理解度は増したか、何か復習プリントを書きながら気づいたことがあったかなど。」
・質問カードへの回答。相変わらず前回分を半数近く残してしまっている。今日はかなり質問コーナーの時間が長引いてしまったのだが、それでもこういう状況で、かつ教科書も予定通りに進まなかったので、ここらで何とか軌道修正をしなければならない。
・大学指定の授業アンケートを実施。今回のは記名式で、良かった点と改善を希望する点だけを尋ねるものなので、ほとんど普段の出席カードの利用でカバーできているはず。改善を希望する点がほとんど寄せられなかったのは有り難いことだ。(記名式だから書きにくいというのもあったかもしれないが。)うっかり有線LANのケーブルを持っていくのを忘れたため、学生が携帯電話から回答した内容をその場で確認することができなかった。
・教科書コーナーは5文型の復習から。補語、副詞、目的語という用語の確認までやってから第4文型と第3文型の書き換えの話題。これらは同一の意味ではなく、文末焦点によって区別できることを説明。そのほか、第4文型について教科書に沿って説明。続いて予習範囲の進行形と受動態の所に入ったので、まずは現在分詞と過去分詞の本質的な意味について紹介。そして進行形にならない動詞のところの話をいつもの持ちネタのMcDonald'sのI'm lovin' it. の話と絡めて説明。これで時間切れ。
・受動態の所に入れなかったのでこの範囲の復習プリントを課すわけにもいかなかったが、とりあえず配布。次回の回収は進行形のページだけにする予定。もちろん提出したい者がいれば受け取るが、受動態のところは学園祭を挟んで11月第1週でも構わない。予習範囲として第5文型のところをUnit 2つ分。

質問コーナーで取り上げた質問
・いま、世界のビジネスで最もよく使われている言語は英語だが、将来、日本語が主流になる時代は来ますか?
・これからの時代、新たな言語が生まれる可能性はありますか?
・英語を勉強する際に読む力、書く力、話す力のどれが大事ですか?
・映画を見るとき吹き替え英語字幕で見るか、英語音声日本語字幕で見るか、どっちが良いと思いますか?
・否定文のnotは何故省略してn'tと表現するのですか?
・三人称の時、一般動詞になぜsやesをつけるのですか?
・英語で書かれた日本の新聞を読んでみたいと思っているのですが、どの新聞社のものがおすすめですか?
・英語をまず仕事で使えるようになるまで勉強するつもりですが、もう一つ外国語を習得する場合、中国語か韓国語を勉強しようと思っています。将来性を考えたときにどちらを習得した方がいいですか。また、他に国際的に需要がこれから増えそうな言語があれば教えて下さい。
・TOEICを受験したときに後半にかけてリスニングもリーディングも集中力が切れてきて正答率が下がるのですが、英語の体力をつけるコツがあれば教えていただきたいです。
・語学留学で何か考え方や価値観の違いに変化はありましたか。
・先生が英語で最も苦戦したのはどのような文法でしたか?
・先生の両親や子どもさんも英語を得意とされているのですか?
・know, knight, knifeなどのkは読まないのになぜつけるのか?
・英語が話せるようになると仕事が増えたり給料が上がったりしますか?
・海外で何か危ない体験をしたことがありますか?
・英語だと思っていたのに外国では通じない言葉が知りたいです。
・部活動をやっていたら就職に有利になると聞いたのですが、実際のところどうなんですか?
・先生が面白いと思った英語の言葉の変化というものを教えて下さい。
・世界の言語の種類は何種類なのか?
・以前、台湾へ行って現地の学生と交流したのですが、中国語の方が話しやすいように思いました。英語と比べて、このように人種と言語に関係はありますか?
・大学生のアルバイトはどう思いますか?
・死語とはどういう基準で決まるのですか。
・なぜ日本語に漢字が必要なんですか?
・世界では銃社会が当たり前な国も多いですが、もし日本が何かのきっかけで銃社会になったら日本はどうなるでしょうか。
・外国では護身用に拳銃を持っているのは普通なんですか?
・世界で一番話し手が多い言語は英語ですか?
・昔、友達が言っていましたが、アラビア語を話せて通訳をすると給料が多くもらえると言っていましたが本当ですか?
・他の国の英語教育も日本と同じようなものですか?異なっているならどういった点で異なりますか?
・英語検定があるように日本語検定ってあるのでしょうか。あるなら、日本人がそれを受けると簡単に1級取れるのでしょうか?
・アイヌ語を今でも使って生活をしている人はいるのですか?

省察
・出席カードの自由記述欄で5文型の復習について書いてもらったが、新しい発見はなかったという意見も多かったので、今後は5文型についてはあまり丁寧に説明する必要はなさそうという印象。
・そろそろ出席カードの記載をサボる学生も増えてきた。予習もせず、自由記述欄も適当に書き、出席カードに記載の設問にも答えていない者は1点しかつかない。(0点扱いにする時もある。)きちんと出席カードを書くと今日の場合だと4点にもなり、こういう所で差がついてくる。仮にこれが10回続けば、もはや30点分の差となるが、どうも復習プリントの提出もない者もいる様子。再来週は学園祭で1週間休みになるが、その時にでも成績の途中経過を配布した方がよさそう。(後期は40名ちょっとなので成績個票を作るぐらいなら何とかなる。前期は130名もいたので断念して自己チェックシートを配布したけど。)
・やはり教科書にもっと時間をかける必要がありそう。質問コーナーを減らしたら…これはこれで文句が出てきそうだけど。



第4回 10月8日

授業の流れ
・宿題として課していた前回範囲の復習プリントを回収。授業開始時刻に締切。
・復習プリントで授業では扱わないTinanicに関する英文と設問への回答の箇所について、和訳と設問の答えを口頭で説明。
・続いて予習チェックとしてUnit 4〜5範囲への書き込みがあるかどうかで異なる種類の出席カードを配布。遅刻者にはペナルティとして予習をしていない者と同一の出席カード。
・質問カードへの回答。前々回の分で残っているものから優先に。質問コーナーにさほど多くの時間を割くこともできず、前回分は半分程度しか回答できなかったので、やっぱり次週に持ち越しとなった。ここまでで50分。
・教科書コーナー。前回の実現可能性の表を板書してから助動詞のポイントを再度説明して復習。また、must と must not、must と have to、will と be going to、can と be able to の関係などについても説明。
・その後、今日のメインテーマである5文型の導入。文法研究の起源の話から始め、最終的に1929年のOnionさんの5文型の話と、日本国内でそれが定着するに至った話をいろいろ脚色しながら説明。また、日本国内で出ている文法書でおそらく一番分厚いと思われる安藤貞雄『現代英文法講義』では5文型の致命的な欠陥を述べ、文型の区別については8文型のモデルを採用していることを紹介。
・そして最後に第1文型〜第5文型をS,V,O,Cなどの記号を使って書き並べ、ポイントとなるいくつかの概念(第2文型のSとCの関係、第3文型のSとOの関係など)に触れてから、文法用語の意味を考えるという視点で、補語、副詞、目的語がどういうものかについて説明。
・出席カードの自由記述欄の質問は「この授業の内容は英語ギライに効きそうですか?」とした。

質問コーナーで取り上げた質問(私の回答内容は省略しますが、特に回答を希望するものがあればコメント欄やTwitter/Facebook/Google+などで尋ねて下さい。可能な範囲でお答えします。
・留学するならどこの国が一番いいですか?
・なぜ外国人は何カ国語も話せるのですか?
・先生はNHKのTEDカンファレンスはいいと思いますか?
・先生の語学研修の思い出を聴かせて下さい。興味があります。
・これからも英語の必要性はありますか?
・ミドルネームの意味は何ですか?
・英語の冠詞はa, an, the以外にもありますか?
・日本と仲良い国と悪い国を教えて下さい。
・白人至上主義は何故できたのですか?
・先生は大学で一番ためになった授業は何ですか?
・世界中で英語を母国語にしている国は何カ国ありますか。
・おすすめの英単語帳を教えて下さい。
・英語を学んでいく上で英語の歴史なども知っておいた方がいいのでしょうか。
・世界の共通語が中国語に変わることがあると思いますか?
・英語は世界共通で話されていますが、日本語がそれほど世界で知られていない(話されていない)理由はあるのですか?
・イギリス英語とアメリカ英語には文法の違いがあるんですか?
・アメリカへ行くときはやはり事前に会話の勉強をした方がいいですか?
・英語は他言語と比較して文字数の関係上、覚えやすいと聞いたことがあるのですが、本当なのでしょうか。例えば英語26文字に対して日本語50文字。
・日本語と韓国語は似ていると聞きますが本当にそう感じますか?
・日本語で将来の「夢」と寝ているときに見る「夢」が英語ではdreamでまとめられているのは偶然なのですか?
・将来的に日本の英語の授業のレベルがどんどん上がっていき、日本人誰もが普通に英語を使えるようになる日は来ると思いますか?
・日本語には私、僕、俺や、あなた、君、お前など自分や相手を指す言葉はたくさんありますが、英語の場合はこういった表現はどうなっているんでしょうか?
・2回生になったら中国語の授業を履修しようかどうかを悩んでいます。英語も韓国語も中途半端にしかできていないのに新しくまた言語を学び始めるのはどうかな、と思っています。中途半端にいろいろな言語を勉強するのはやはりよくないのでしょうか。
・会話の発音が上手なことと洋楽などの歌で発音が上手なことは違いはありますか?
・言語なんて多ければ多いほど面倒なだけなのに、なぜ増やそうとするのか。
・日本人歌手で英語の発音がうまい人とかっているのでしょうか?また先生ぐらいに発音がうまくなると、日本の歌手の英語の発音を聞いて「あ、ここおかしいな〜」とか分かったりするんですか?
・TOEICの勉強にあたってまず何から勉強したらいいですか?
・外国に住むとその国の言語を覚えると聞いたのですが本当ですか?
・アメリカ人が使う「アメリカンジョーク」は映画などでよく見ますが、時々よくわからないものがあります。やっぱり価値観とかの違いなのでしょうか。
・アメリカの東海岸と西海岸では何か違いはありますか?

省察
・祝日授業なだけあってやや学生も少なめかな?と思ったら先週とあまり変わらない人数だった。祝日の1限からきちんと出席したことを褒めてやる…必要はないな。授業があれば出席して当然!(他の授業の動向は知らないが昼休みの学食がガラガラだったので、全学的に見れば欠席者が多かったのだろう。)
・出席カードの自由記述欄は前回から密かにARCSモデルを意識した設問にしている。前回はAで今回はR。ちょっと拡大解釈しすぎな気がしないでもないが。このクラスではまだ学生にARCSの意味は伝えていない。
・多くの学生から「この授業は英語ギライに効く」という意見が寄せられているが、一方で「英語ギライに効きそうにない」という意見も数名から。さて、どうしましょう?まずはどういう意味で効き目がないか、考えてみて欲しいところ。薬と一緒で、正しく服用していないのに(指示された予習をせずに来ている、授業を聴いたフリだけ、宿題をまとめてやろうとしている…とか)効き目がないと考えている学生はいないかな?



第3回 10月1日

授業の流れ
・宿題として課していた前回範囲の復習プリントを回収。授業開始時刻に締切。遅刻者は1点引きで受領。
・続いて予習チェックとしてUnit 3範囲への書き込みがあるかどうかで異なる種類の出席カードを配布。遅刻者にはペナルティとして予習をしていない者と同一の出席カード。(遅刻するとポイント面でかなり損することになる。)
・質問カードへの回答。前々回の分がまだ全て回答できていなかったので残っているものから優先に。質問コーナーにさほど多くの時間を割くこともできず、前回分を全て回答できなかったので、さらにこれも次週に持ち越しとなった。ここまでで40分。
・復習プリントで授業では扱わないTinanicに関する英文と設問への回答の箇所について、和訳と設問の答えを口頭で説明。
・教科書コーナー。前回範囲の疑問文の箇所を音読練習してから今回範囲である助動詞の解説。助動詞の実現可能性の表(must / will / would / should / may / might / can / could を縦に並べて書いて、それぞれの右横に 100% / 90% / 80% / 70% / 50% / 40% / 30% / 20% ) を板書し、これに基づいて教科書の例文などを実現可能性の度合いという観点から説明。must の否定が must not にならない理由や、must と have to の関係について簡単に説明して時間切れ。
・出席カードの自己申告・ミニアンケート欄への質問は「この授業を受けて英文法への興味は増したか」という観点で自由記述。
・次回までの宿題はUnit 3の復習プリントとUnit 4 / 5の予習。

質問コーナーで取り上げた質問(私の回答内容は省略しますが、特に回答を希望するものがあればコメント欄やTwitter/Facebook/Google+などで尋ねて下さい。可能な範囲でお答えします。
・英語にも日本語のように方言やなまりが存在するのですか。また同じ単語でも国によって綴りが違ったり発音が違ったりするものがあったりするのですか。
・規則動詞の過去形の語尾の -d や -ed を「ト」「ド」に分けられていますが、その分ける基準は何ですか。全部を統一はできないのでしょうか。
・初めてアメリカ人と会った日本人は言葉が分からないのでファーストコンタクトはどのような応対をしたのか。
・英語を学習していて一番楽しいことは何ですか。また、英語を学習していて良かったなと思うことは何ですか。
・アメリカでは英語が最もポピュラーな言語だと思うのですが、英語はイギリスの言語なのでアメリカに英語が伝わる前はどのような言語が使われていたのでしょうか。
・英語のいいところはどこですか。
・今のうちからライティングの練習をしたいのですがおすすめの勉強の方法があれば教えていただきたいです。短文を理解した上で暗記していくような「型」をたくさん覚えていく勉強法は先生から見て理に適っていますか。日記などを英文で書くことも有効ですか?
・未だに細かい前置詞の使い分けに苦労しています。前置詞の用法について体系的に理解を深めたいのですが、どのように勉強していけばいいですか。
・知的財産系の仕事に就くのはどのぐらいのTOEICスコアが求められるのですか。
・この大学では韓国語の授業は行わないのですか。
・地道に英語の文法や読み書きを4年間費やすのと1年間留学するのとではどちらがTOEICの点数を上げれるようになりますか。
・部活動に関する先生の考えを聞かせて下さい。(先生の部活動への価値観など)
・映画を見るだけで英語を勉強することはできますか。
・先生は日本語と英語どちらが難しいと思いますか。
・オーストラリアの英語とアメリカの英語に違いはありますか。
・最も古いとされる言語は何ですか。逆に新しい言語はありますか?
・外国に行ったら食べ物の量やカロリーがすごいから太ると聞いたのですが、先生が今までに外国で食べたもので一番太りそうなものは何でしたか?
・「秋」はfallと言ったりautumnと言ったりしますよね。他の季節は1単語なのにどうして秋は2通り言い方があるのですか。
・外国で住んでいる日本人の夫婦の子どもがもし両親が日本語をよく話す人だった場合、その子どもは英語と日本語どちらを先に身につけるのかという疑問があります。
・なぜ方言というものが存在するのか。
・英語と似ている文法の言語はありますか?
・冠詞の話の続きをして欲しいです。(注:前回の話題に加え、マーク・ピーターセン『日本人の英語』の冒頭の話を紹介。I ate a chicken. と I ate chicken. の話。)

省察・その他
・質問が多いが、それぞれについて深く話すことはできないので、時々キーワードを板書して自由に携帯電話から検索してもよいというようにしている。そしてこのように授業中に自分で調べたことも出席カードで報告させるようにすると、かなり多くの学生がいろいろ調べてくれているようである。こういう取り組みから知的好奇心を広げてくれると嬉しい。今日の質問コーナーや教科書に関する説明の中で紹介したキーワードで学生が出席カードで書いてくれたのは「ヘロドトス」「フリュギア語」「ニカラグア手話」「ナバホ」「ヤジロウ」「規範文法」「記述文法」「エスノセントリズム」「セミリンガル」など。
・実際にきちんと確かめた訳ではないが、先週、先々週の出席カードと比べてみて、裏面にまで書き込みをしてくれる学生が増えているような印象。そして前期の同一授業よりも裏面への書き込みが多いような気がする。良いことだ。



第2回 9月24日

授業の流れ
・前回配布し損ねた解答を見ながら各自チェックの時間をとる
・宿題回収、予習チェックしながら出席カード配布
・質問カードへの回答、冠詞スライドと冠詞の説明
・前回範囲の復習と音読
・今回範囲の概略説明、言語学の話と音読
・自己申告欄は「今日の授業中、どれぐらい頑張ったかを0%〜100%で。また、特にどの内容に関心を持ったかを自由記述で。」
・次回までの宿題の指示。

質問コーナーで取り上げた質問(回答は省略。以下、ジャンルはばらばらですが、概ね説明した順番に並べています。)
・英語の勉強が楽しくなる方法はありますか?
・英語の訛りは先生も聞き取れないことがありますか?
・映画の吹き替え版はどうしても違和感を感じますが、先生はどのように感じますか?
・今から英語の勉強をしたとして、ネイティブ並みの発音になることができますか?
・アメリカ英語とイギリス英語ではどちらが多く話されていますか。何が違うのですか?
・なぜ英語は世界共通語になったのですか?
・私は英会話で一番大事なのは語彙力だと思っています。いかがでしょう?
・先生は何カ国語話せますか?
・書店で英語のCDだけを聞いていれば英語ができるようになるという本がありましたが、本当にできるようになるのでしょうか。
・英語を書くのはまだ書けるのですが全くもって話せません。何から始めればいいですか?
・なぜ英語は他の言語と比べて堕落した言語となったのですか?(注:前回少々大げさに紹介したことについての乗っかり質問)
・英語はシンプルかつ使用人数が多いから世界中で使われていると考えて大丈夫でしょうか?また、他の言語と比べると英語は学習しやすいと本当に言えるのですか?
・日本では流行語がありますが、アメリカでも流行語がありますか?
・amのうしろにaをつける意味が分かりません。似たような分でなぜつける文とつけない文があるのか知りたいです。(注:今回は冠詞の導入として、以前作った『英語には冠詞がある。日本語には(    )がある。』というPowerPointスライドを提示。もう少し冠詞について知りたければ乗っかり質問を書くように指示。スライドはご自由にお使い下さい。)
・アメリカでは16歳になるとほとんどが自分で生活するためにアルバイトしていると聞いたことがあります。日本ではこの歳でアルバイトをしている人は少ないのであまり信じられません。
・洋画を字幕なしで見れるようになるにはどれぐらいかかりますか?
・先生は中国のデモについてどのように思いましたか?
・先生は海外旅行にはどこに行ったのですか?
・世界の共通語は英語ですが、第二の共通語は何ですか?
・アジアの言語にも共通した文字はあるのですか?
・この学習をしていれば英語が少しできるようになれますか?
・どうして英語が世界に広まったのですか?
・先生のおすすめの参考書、問題集があれば教えていただきたいです。
・世界の言語はなぜ1つに統一されなかったのでしょうか。
・nurseという単語は看護師の他に看護婦という意味がありますが、どうしても看護婦という女性の方を思い浮かべてしまいます。これは先入観のせいでしょうか。
・スマートフォンのアプリのLINEの英語通訳は辞書として使えるほど正しいですか?

※上記の質問内容について、私が授業で回答した内容を知りたい人はコメント欄やTwitter/Facebook/Google+などで尋ねて下さい。可能な範囲でお答えします。

省察
・今期も大量の質問が寄せられる気配。まあ質問したくなるように種をまいたり燃料投下したりしているから当然なのだけれど。今日の授業でも「もっと喋って欲しければ出席カードにその旨リクエストを」と指示したら乗っかり質問が相当数出てきた。授業内容に関心を持ってもらうためには、こういうことも必要なのだろう。
・授業後に改めて本時の出席カードを読み直してみたら結構いろいろな質問を読み飛ばしていたことに気づいた。折角質問してくれたのに、申し訳ない。まあ繰り返し質問してくれたらいいけど。
・前回「英文法と私」というテーマでひとこと書いてもらっているが、この内容も殆ど取り上げる余裕がなかった。中には「社会人になってからはできるだけ無縁であって欲しい」というようなネガティブなコメントも寄せられているので、何とかしたいところなのだけれど。



第1回 9月17日

授業の流れ
・出席カードを配布。
・Webシラバスの画面をプロジェクタで投影して授業の概要などを説明。
・シラバス補足事項をまとめたプリントを配布して説明。
・前期の授業のブログ画面を映して、言語・文化・教育に関する質問について簡単に説明。
・教科書Unit 0範囲をプリント配布して演習。途中で解答も配布して写しながらの学習も可ということに。それでも内容が簡単なので多くの学生は答えを見ずに取り組んでいたが、少々怪しい学生も?
・英語のbe動詞の体系をドイツ語やフランス語と比較し、英語では語形変化が少ない点を紹介。また、be動詞と一般動詞の比較について、いろいろな説明の仕方があること、英文法体系がどのように成立したかということと絡めながら、とりあえずこの授業では「be動詞:〜という状態で存在している」「一般動詞:主語の動きを表す」という形で紹介。
・出席カードのミニアンケート欄には「英文法と私」というテーマで一言書かせた。
・Unit 0範囲の例文を全て音読。
・次回までの宿題(Unit 0をもう一度プリントでやる、Unit 1〜2を教科書に書き込んでくる)を指示。

省察など
・前期は受講者数が130名を超えたが、後期1回目に教室に来たのは39名(1年19名、2年14名、3年2名、4年4名)4月の履修登録人数からすると少なめだが、厳しいクラスだというような悪い噂が流れているのかもしれない。先制攻撃で「このクラスはウザい」ことを予め宣言しておいた。
・本来ならUnit 1〜2の答えも本時に配布し、これを見ながら予習する形でも構わないという形で行うべきところ、うっかりこの範囲のプリントを用意するのを忘れていた。1回目から失敗。まあこの範囲は答えがなくても何とかなるだろう。次回、冒頭でこの範囲の答えを配布し、自己チェックさせながら予習チェックをして巡回することにしよう。
・後期から出席カードの様式を変えてみた。しばらくは様子見だが予想以上にうまく使えそうな印象あり。
・出席カードに下品な言葉(下ネタ含む)を書くような学生がいる。大学生にもなってこれは恥ずかしい。場所をわきまえてもらいたい。これは来週に警告せねば。

2013年1月17日木曜日

(2012後期・木曜1/2限)受信英語Ⅱ 授業記録



第15回(最終回) 1月17日

授業の流れ
・1限はJRが人身事故で遅れていたので試験開始時間も10分遅らせた。結局遅れて来た学生は1名だけだったけど。(延着の影響かどうかは聞いていない)授業開始時間から10分間で公式カンペを作るという段取りにしていたが、この開始時間自体を10分遅らせ、公式カンペに書き写す内容をおしゃべり有りで準備させた。2限は定刻で開始。
・公式カンペ作成(10分間)スタート。ここもおしゃべり有りということにしたが、みんな静かに作業していた。
・10分後に問題用紙兼解答用紙を配布して試験開始。30分間。冒頭で書画カメラを使って補足が必要な箇所を説明。
・試験終了後、問題用紙兼解答用紙と公式カンペを回収。公式カンペは無記名。
・前回の出席カードの裏面を書画カメラで提示しながら講評など。
・大学公式の携帯電話を使っての授業アンケートを実施。
・Bonus DVDよりメイキング画像として、「絵コンテから映像へ」(約11分)を視聴。
・ほぼ全員が1年次学生なので、来年度に履修することになる2年次英語科目について概略を説明し、1限は10分ほど、2限は15分ほど早めに終了。

授業アンケートの結果より
匿名アンケートなので同一人物が書いたかどうか分からないのだけれど、1限で1つの設問以外の全てのアンケート項目に5段階評価の「1」(まったくそう思わない)を書いた学生が1名いる様子。明らかに外れ値(「2」の評価は0人の項目でも「1」が1人だけというのが11問中9問もある)なので気に留める必要もないが、仮に同一人物だとしたら、こういう回答の仕方はとても幼稚っぽい。この授業記録ブログに書いたところで本人に届くとは思わないが、反省を促したい。
・何しろ「この授業にどの程度出席しましたか」という設問で「40%未満」と答えているようではそもそも試験を受けても単位は認定できないし(原則として欠席が4回以上の場合は単位認定しないことをシラバスに明記している。必ずしも杓子定規に適用しているわけでもないが)今日出席する意味はなかった。つまりアンケートに答えて欲しくもなかった。「この授業に意欲的に取り組みましたか?」という設問でも「まったくそう思わない」、「この授業の復習をしましたか?」という設問でも「まったくそう思わない」、。それじゃあダメですね。
・匿名アンケートでも履修者が回答済みかどうかだけは教員用画面で見れば分かる。これまでの出席状況と付き合わせてみたところ、回答済みの者で出席回数が40%未満の者はいなかったので、おそらくきちんと読まずに適当にアンケートに答えたのだろうけど。
・自由記述欄に「おもしろくないです」と書いた学生も1名。これも上記と同一人物かもしれないが。そもそも授業を面白くするとしても教員が努力するだけで良いのかな。3分に1回ジョークを飛ばすような授業がいいのかな。



第14回 1月10日

授業の流れ
・出席カードを配布。
・次回は期末試験が中心なので授業としては今回が最終回。そのため英語学習へのアドバイスなど遺言めいた内容がたっぷりであることを予め宣言。
・期末試験の出題方法等について説明。試験範囲は教科書のUnit 12〜今日やった p.77まで。出題する問題は英借文、字幕翻訳、フレーズ英訳、フレーズ和訳、単語マッチング、イントネーション書き込みなど30点分。
・中間試験の時から宣言していた「公式カンペ」についても説明。これは授業開始時間に書き込み用の用紙(英借文の素材として教科書本文からの引用が書かれているもの)を渡すので、10分間自由に書き込みをして良いというもの。10分後から試験開始。定時に来ないと公式カンペを作る時間がないので要注意。この公式カンペに10分間で書き写せるような内容を予め個人またはグループで準備しておくことを要求。試験後、公式カンペは答案と一緒に回収。
・前回の出席カードの裏面を書画カメラで全員分提示し、各自の理解度や学習方法などについて講評。
・今日は前期・後期の総まとめとしての学習。Phrase Reading Worksheetは配布せず、映画を20分間(エンドクレジットの途中まで)日本語字幕で見る。(できるだけ英語の音に耳を傾けながら)
・映画の内容に基づいた教科書の英文を読み、直読直解ができているかどうかを5分程度で通読しながら個人またはグループで確認。Phrase Reading Worksheetを使わなくても直読直解できるようになったか、また、小さい○から大きい○へと内容が増えていくイメージで英文が読めるようになったか。
・出席カードの裏面に回答する設問を板書。「(1)大学生の英文読解として相応しい、直読直解がどの程度できるようになったか、%または自由記述で記入」「(2)高校までの英文読解の方法と何か変化があったか」
・英文読み上げ音声を流し、同じスピードで文字を指で追いかけながら、読み上げ速度と読解速度の比較(全部分かる:100%〜全く分からない:0%)を(3)として記入。
・この記入が終わった時点でTMにある本文和訳を配布し、グループで英語と日本語の比較などを行った。そして「自分たちで考えた解釈と配布した和訳の一致度を100%〜0%で」を(4)として出席カード裏面に記入。
・同じ音声をもう一度、今度は何も見ないで聞いてみる。そして「(5)何も見ないで音声だけを聞いてみての理解度は?」とし、100%〜0%で記入。この数値が低い場合はどうしたら良いかも考えさせた。(この回答は記入不要)
・教科書の単語問題は配布した和訳を参照しながら答えさせることにした。この方法なら全員が正解するはず。もしも不正解の問題があれば、それは英文と日本語の対応関係をつかむことができないという事実を明らかにできるので。この部分と、それに続く教科書のPhrase Readingの部分の正解を書画カメラで提示して答え合わせして終了。

学生の出席カードへの記載内容より(順不同、類似回答は一部省略、2クラス分)
映画を日本語字幕で見たあとで、それに基づく英文を使った学習なので、お膳立てが過ぎる状態だったかもしれないが、以下のような自由記述回答が得られた。

(1)大学生の英文読解として相応しい、直読直解がどの程度できるようになったか(自由記述による回答のみ)

「なってない」「映像をみたあとなので直読できたのかもしれないけど、最初と比べてスムーズに頭に何をいっているのか映像がうかんでくるようになった」「まだまだ達していない」「はじめの頃よりは英文に慣れができたのでだいぶ近づけたとは思います。」「大学生としてふさわしい訳し方が少しできるようになったが、まだ中学生で教わった訳し方をしている時があるので大学生らしい訳し方でもっと問題をこなしていかないといけないなと思った。」「前期に比べてだいぶと前から訳すようになりました」「わからない単語のところでは止まるが、きれいな日本語にしろと言われなければ自分の中で英語の意味はだいたい把握できるようになった」「まだまだ大学レベルではない」「あまり前に戻ることなく読むことができるようになった」「だいたい読めるようになったが、whenやthatなど、後からその内容が出てくる文で止まってしまう」「まだまだです」「できる文章とできない文章がある」「少しずつであるができるようになっている」「単語がわかればだいたいはできるようになった」「英語が元々苦手で、少しできるようになったと思うが、まだまだ大学レベルではない」

(2)高校までの英文読解の方法と比べて何か変化があったか
「高校時代は後ろからよく意味を訳していたが大学になってからは前から訳すようになった」「あった」「ちょっと変わった」「あまり変化はなかった」「前から英文を訳せるようになり英語が少し楽しくなった」「高校までだと機械的に訳していたけど今は少し単語がわからなくても頭にストーリーが浮かんでよめるように成長したと思います」「高校では直訳で固い日本語訳になっていたがアレンジしたりしてやわらかい日本語訳になった。」「高校→何度か読み返してだいたい理解 今→1度でだいたい理解」「難しくなった」「一文を読むスピードが早くなった気がする。」「まだ完璧とまではいかないが、戻り読みをすることがなくなった」「変化自体はないが、一つの単語が分からなくても文の流れから読み取れる部分が増えたように思います」「ちょっとは変わったはず!と思いたい…」「高校では意味を理解できないまま読んでいたが、理解しながらよめるように少しはなった」「英文の大まかな理解ができるようになった」「スピードが速くなった」「日常会話の部分が映画を見て読み取れるようになった」「文の切れ目が分かるようになったので文を読みやすくなった」「文を読むのが遅くなった」「高校までは発音について意識していなかったが、大学からは発音を意識するようになった」「高校までは後戻り読みをしてましたが、受信英語の授業内の直読直解を意識して読む練習をするうち、読解力に関して力がついたと思います。」「高校のときよりはスムーズに読めるようになったと思う。」「少しは意識して前から読むようになった」「高校の時、自分がどのように読んでいたかが思い出せない」「高校時、文の後ろからの理解だったが、大学では前からになっている」「特に変化はない。難しく考えすぎていた感がある。」「読解力は少なからず上がってはいると思うが変化と呼べるかは微妙なところ」「少しはリズムよく読めるようになった」「訳が会話のような自然な言葉でできるようになった」「簡単な英文なら後戻り読みをしなくても理解できるようになった」「全く高校とは英語のレベルが違うので少しは上達した」「やっぱり少し前から読めるようになった」「読むのが苦じゃなくなった」



第13回 12月20日

授業の流れ


・出席カードを配布。最初の10分強はウォーミングアップとして前回配布のPhrase Reading Worksheetを日本語→英語、英語→日本語でクイズを出し合う。そして出席カードの裏面に①として「英語から日本語の再現率」、および②として「日本語から英語の再現率」を書かせた。
・教科書の単語問題と答え合わせ。
・英語字幕で約20分、映画を見て、出席カードの裏面に③として何%ぐらいわかったかを出席カードの裏面に書かせた。また、④として、このスコアを+20%増やすにはどういう勉強が必要かをグループで相談して書かせた。ここで冬休みの学習もイメージしてのアドバイスを少々。
・この20分のうちの1分の箇所が教科書で扱われているので、再度この場面だけを視聴。いつもはシナリオのページは様々な使い方をしているが、今日は「字幕翻訳にチャレンジ」とし、シナリオを英文ごとに改行したプリントを配布して、グループで書かせた。極端に内容が圧縮されているところなどは予め正解を書き込んでおいたが、そうでないところを13カ所出題。途中で再度、登場人物の表情などを見ながらの方がやりやすいだろうという気がしたので、再び視聴する時間を入れた。
・しばらく時間をとってから日本語字幕に切り替えて1文ずつ台詞内容と直訳とを比較しながら字幕翻訳の工夫についても簡単に紹介。正解を入れたプリントを用意しておいたので、これを書画カメラで定時して確認させた。
・続いて教科書の穴埋めディクテーション等の問題を実施。
・最後に5分強の時間を余らせるような時間配分に成功したので、映画のボーナスDVDからメイキング画像として「歴史の糸:衣装デザイン」という話を見せて終了。



第12回 12月13日

授業の流れ
・どうも1限開始時の集客状況がよろしくない…と思ったらJR延着。それでも定時に教室に来ている学生はいるので、後でやる予定だった10分ほどの作業を1限は先にさせることで時間調整。
・前回の出席カードの裏面を全員分書画カメラで提示しながら、英語→日本語・日本語→英語の再現率のパーセンテージと学習目標の立て方などについてコメント。約10分。
・教科書の穴埋めディクテーション問題と会話表現を埋める練習問題。後者は意味を確認してから音源と同時読みを2回。前回、音の上げ下げについて実際に声を出す機会がなかったのでその埋め合わせに…はちょっと足りないが、それなりに上手に音読できる学生が増えてきた気がする。(ほぼ全員がブリッジ・イングリッシュⅠも履修しているので、その効果もありそうな気はするが。)
・引き続き教科書の問題。そのうちの1問で I'm dealing with the most ridiculous job in history. の ridiculous の部分を他の任意の形容詞に変えて全文を書くという問題を出席カードの裏面に記入させた。これが今日の出席点の1点分。残念ながら書き込みがない者も数名。
・教科書の次のUnitに入り、Phrase Reading Worksheetの日本語→英語で両方が初めから埋まっているものを配布。これを日英両方で見比べながら各自が学習が必要な単語表現などにチェックしたりマーカーを入れたりという作業を10分。(上述の通り1限は時間調整のため、この作業を授業開始時から先にさせた。)
・次に英語授業なのにメトロノームを使うという変わった取り組み。毎年1回ぐらいは読解中心のクラスでは使うことがあるが、このクラスは前後期通じて初めて。これはPhrase Reading Worksheetの英語部分を単語数にかかわらず同じテンポで上から順に後戻り読みをせずに進めていくという練習方法で、遅いテンポから始め、最後はTempo=120ぐらいにまで加速していく。メトロノームはiPhoneのアプリで、スピーカー音声をマイクで拾って教室に流し、書画カメラで同じように読むよう指示。ここではプリントの行数よりも多い回数を流し、もしも途中でついて来れなくなったら文頭に戻ってやり直すなど、方法は学生にまかせた。プリントで配布した範囲を一通りやってから、出席カードの裏面にこの「メトロノーム読み」を試してみての感想などを書いてもらった。
(サンプル映像として授業後に撮影した動画をこちらに置いておきます。Tempo=75ですから、これはかなりゆっくり目です。)ここまでで約55分。
・次に「補助学習いろいろ」プリントを配布。2問目に載せた People from different countries or backgrounds are not like you. と People from different countries or backgrounds do not like you. の違いが分かったら挙手!(早押し問題風に)としたがなかなか手が上がらず残念。今日のがっかり。でも so that を使った英作文と、英文を辞書やネット上から探し、前に書きに来るという個人プレー対決をやったらそれなりに参加者があった。また、裏面の後半2問は答えが分かったら挙手という形にした。いずれも参加者・正解者および関連する質問をした者には出席カードに押印。



第11回 12月6日

授業の流れ
・1限の授業開始時の人数が異常に少なく、最初に予定していたタスクが盛り上がらないかも?という気がしたので、定時出席者への特典(?)ということで、授業の最後に見せる予定だったメイキング映像を先に見せて時間調整することにした。8分の映像が終わるころには10人ほど増加。途中から来た学生が「くそ〜、メイキング映像見逃した…」とでも思ってくれたらありがたいのだが…。(2限は当初の計画通り、授業の最後に見せた。今日は後半が英語の音の上げ下げを扱う内容なので、そのあとで初めて聴く音声が教科書以外でもあった方がいいなあ、と思っていたのだが、1限も授業終わりの方が良かったかなあ。)
・出席カードを配布。前回の提出物を返却。ペアで交換して練習し、①「英語→日本語の再現率」②「日本語→英語の再現率」をペアで確認。出席カードの裏面にそれぞれ%で書く。③感想、こういうフレーズを覚えるには今後、どういう勉強が必要だと思うかなどについて自由記述。
・次にPhrase Reading Worksheetを使って、同様に英語→日本語の再現率と日本語→英語の再現率を個人またはペアで測定。そして④・⑤として出席カードの裏面に記入させた。
・これらの作業中、随時質問受けしながら巡回。特に英語→日本語、日本語→英語の両方でこんな具合にも訳せるか、直訳と意訳の違いで気になったことはないか、などの観点で。
・教科書の単語問題とPhrase Readingの箇所を実施して答え合わせ。
・教科書p.66、Scene Focusのページは台詞ごとに2秒ずつ空白の入った音源を使った練習。まずはこの範囲を日本語字幕で見た。次に該当箇所のみ2秒ずつ空白の入った音声で聴いた。
・冒頭に戻り、1文ずつそれぞれの文脈を踏まえてどんな風に読まれるか、音の上げ下げがどうなるかをペアで予測してから、実際の台詞を聞く。このような練習を通して行い、2種類のスクリプトで計2セット。
・最後に今日のメイキング映像「駅馬者ギャラリー」から「博物館作りの工程」8分。(上述の通り、1限は授業開始直後に、2限は授業最後に見せた。)


学生の出席カード裏面への記述を読んでの印象など
・やはり英語→日本語の再現率よりも日本語→英語の再現率の方が低いと申告する学生が多い。これまで英語を発信する訓練が不十分だったというのは日本中の大学生、みんな同じような状況だと思うが、各自がこの表現を覚えたい、という強い意志で選んだ表現を少しずつ覚え、使えるようにしていけば英会話だってきっとうまくいくはず、というのはあまりにも楽観しすぎだろうか?



第10回 11月29日

授業の流れ

・中間テスト返却と講評などで約15分。
・教科書の次の範囲を映画を日本語字幕で見る。約16分。
・教科書の英文を読んでどの程度意味が把握できるかを各自チェック。5分程度。(前期でやったような方法)ここでは英文が日本語訳できなくてもいいけど、先ほど見た映像のどの部分に該当するかが分かる、あるいは英文に目を走らせながら内容が頭の中に映像として浮かんでくればOK。
・英語→日本語の2列入りのPhrase Reading Worksheet をプリントで配布し、英語のフレーズ訳と意訳を比較する練習。約5分。今日は直読直解のためのフレーズ訳と文レベルでのこなれた和訳を比べるという練習も取り入れるつもりだったので、書画カメラで教員用マニュアルの和訳を提示。結局これに触れる時間はほとんどとれなかったが。
・今日のコンセプトは「覚えたいことは自分で探す」。覚えなさいと言われたものを覚えるのは高校生。大学生なら自分で学習目標を立てて当然。高校4年生はいないか?
・Phrase Reading Worksheetの中から英語→日本語ですぐに言えるようになりたい表現(英文4語以上に限定)を10個、日本語→英語ですぐに言えるようになりたい表現(英文4語以上に限定)を10個、それぞれを学習記録用紙(.docx形式、改変・再配布自由。)にまとめる作業。これは今日の出席カードに相当。
・ここでは英語→日本語についてはPhrase Reading Worksheetでの区切りを超えて、なるべく長いPhraseを高速に把握できるようになるため、行をまたがった形のものを推奨。そして日本語→英語では各自が英語で言えなさそうなことを重点的に自由に書いてもらうことにした。また、表面と裏面で同じ表現を選んでもよいことにした。この作業を約15分。
・英語→日本語でまとめる作業のあと、本文中にある単語でおそらく最初に思いつく訳語とは違う例を2つ(charge「突進」とsee「知る」)をAmazon Kindle Storeで82円という信じられないくらいの大特価で購入したCollins Cobuild Student Dictionaryから紹介し、英英辞典を使った英語学習について説明。iPadのKindleアプリで辞書を開き、書画カメラで提示するというハイテクなのかローテクなのか分からない方法での提示だったが、それはともかく、iPhoneでもAndroidでもスマートフォンを持っている学生は今ならわずか82円で1000ページ以上の英英辞典が手に入るチャンスなので是非試してみて欲しい。それにしてもすごい時代になったものだ…。
・続いて日本語→英語の作業。これも約15分を確保したが、可能な限り別の表現も考えて質問欄に記すように指示した。
・最後の5分で教科書の単語問題をやって答え合わせする予定だったが、これは来週送り。宿題は教科書の単語問題とプリントを使った復習。
・学習記録用紙の両面下部には質問や疑問点を書けるようになっており、約2割の学生から別の訳し方についての質問があった。これらは次回までに添削。次回はこれらを授業開始時に返却し、ペアで練習する時間を設ける予定。



第9回 11月22日

授業の流れ
・今日は中間テスト。授業時間開始前に今日のタイムスケジュール(1限の場合、9:30〜9:50 試験、9:50〜 その他もろもろ、メイキング映像あり)を書き、しばらくしてからその上に「9:25 何かが起こる」と追記。そして一体何が起こるのだろう?と思わせつつ、9:25から公式カンニングペーパーの作成。今回の試験は英作文12問と単語の意味を語群から選ぶ問題6問だが、もともと教科書の本文だけをベタ打ち入力したものを別紙として配布し、これを見ながら英作文に解答するいわゆる英借文方式の問題にすることを予告していたので、試験開始5分前にこの別紙の方だけを配布し自由に書き込みをさせた。結局、この公式カンニングペーパーの作成時間をさらに5分延長して10分とした。ヤマを張った学生、そうでない学生、いろいろいたと思うが、いつもポイントを的確に押さえながら勉強している(どちらかと言えば前の席に座ることが多い)学生は公式カンニングペーパーの作成も上手だった。そうでない学生は…そうでない状況で、前から順番に和訳を行間に書き込むなど、結果的に英作文のためのカンニングペーパーとしてはほとんど役に立たないまとめ方をしていた。このような公式カンニングペーパーの作成時間を設けることは期末テストの時にも行うことを予告しておいた。(一方、2限の場合は既に1限の学生から情報が伝わっていることが想定されたので、予め「11:05〜11:15 公式カンペ作成」というように板書しておき、授業開始時間の5分前の10:55ぐらいから入室済みの学生に要領を説明。)
・試験時間も20分の予定だったが、25分に延長。
・1限と2限とは試験問題は全く違うが同じ授業内容なので、こういうことをやると間の休み時間などの情報交換で公式カンニングペーパーの作成時間があることが1限の学生から2限の学生に伝わってしまうのだが、過去の経験からはさほどの影響はない。むしろ試験終了後に答案枚数を数えている間に「LINEとかTwitterとかFacebookとかメールとかでどんどん2限の人に伝えていいですよ」と指示。
・公式カンニングペーパーの方も全員分回収したので、どういう公式カンニングペーパーを作ったかを全員分、書画カメラでざっと提示。「人の振り見て我が振り直せ」ではないが、勉強の仕方が下手な人は上手な人を少しでもマネして欲しい。
・この時点で残り時間は40分。教科書の続きの範囲(ここは期末試験の対象外)が映像としても9分と短い内容だったので、日本語字幕と英語字幕の両方で視聴。教科書ではそのうちの約30秒の内容が2カ所、英文スクリプトとして掲載されていたので、登場人物がお互いの関係や状況を意識しながら自然な話し言葉で音読するとしたら、どういう音の上げ下げ、どういうリズム、どういう間の取り方になるかを実演しながら説明し、それぞれ1分程度でペアでの振り返り時間を設けた。「書き言葉」の音読練習はこれまでいろいろな場面でやっていると思うが、「話し言葉」の音読練習はあまりやったことがないと思う。
・最後に7分ほど余ったので(無理矢理余らせたとも言う)映画のボーナスDVDから「猿との撮影舞台裏」のメイキング映像を視聴して終了。

次回の進め方
・これまでは予習としてPhrase Reading Worksheetの日本語→英語のものを配布し、右側に予め書き込みをさせる宿題を準備していたが、次からの3課分では授業時に解説用として提示していた日本語→英語の日英両方が予め印刷されたものを使って進めていくことにした。というわけで来週までの予習は不要。



第8回 11月15日

授業の流れ
・添削・採点したグループ課題の返却と簡単なコメント。
・前回指示した宿題のチェックを行いながら出席カード配布。今日は1限の遅刻者が多めだったので遅刻者は宿題チェックを行わず、宿題をしていないのと同じ扱いの出席カードを配布。
・宿題をやってきた者にはフレーズの切れ目を確認する目的で、やってきていない者は聴きながら教科書の英文にスラッシュを入れさせる目的で、フレーズごとにポーズを入れながら読み上げた。
・宿題プリントの解答入りのものを書画カメラで提示しながら、文の構造把握に重要ないくつかの単語に焦点を当て、少しずつ応用英作文のプリント(.docx形式。最初の2ページが配布用、次の2ページ分が板書説明した解答例。)と比べながらを進めていった。また、板書で説明する際には細かい違い(the picture / a picture / pictures の区別など)についての説明を補足しながら進めていった。このような授業の進め方にも慣れてきたようで、スムーズに進めることができた。適宜、教室内を巡回しながら質問を受け、良い質問をした者の出席カードに「おっけい合格」の押印。(※2013.11.1追記:同一プリントを2013年度にも利用していますので、解答例は外したものに差し換えました。)
・応用英作文のプリントの5番では教科書本文で出てきた All you have to do is ... という構文を使って書かせる練習に、1989年の全米チャート1位のヒット曲であるExtreamのMore Than Wordsの歌詞と対訳から出題し、YouTubeで視聴しながら解答させてみた。とはいえ1989年はこのクラスの学生はまだ生まれてもいない時代でもあり、この曲を知っている学生は誰もいなかった。(ジェネレーションギャップを感じる…でもこの曲が気に入ったと出席カードの裏面に書いてくれた学生もいて、ちょっと救われた気分。)
・応用英作文のプリントを終えた時点で残り時間は20分弱。質問受けをしながら(かなりの件数の質問があった)教科書の単語問題を解答させ、答え合わせをして終了。
・最後に出席カードの裏面にコメント・質問の他、中間テストでの目標点数や意気込みについて書いてもらった。また、中間テスト後も英作文を取り入れた授業形態を希望するかどうかについても書いてもらった。(その結果、多くの学生が希望していることが分かった。)

次回の予定
・中間テスト。30点満点だが英作文を少なくとも20点分は出題することを予告。でも「英借文」形式でやるので、教科書の英文は試験問題とは別刷りで配布することになる。



第7回 11月8日

授業の流れ
・前回のグループ課題を回収。任意課題だが7割程度の学生が参加した模様。
・学内TOEICの案内。
・再来週の中間テストの予告(範囲は次のUnitの英作文まで。英作文3枚。教科書本文は別紙で配布するので、それを見ながら解答する。)授業でやった内容を中心に、英作文15問を1問2点で出すぐらいか?これでは点数がとれない人もいるかもしれないので、単語問題なども出すかも。聞き取り穴埋めは…どうしようか考え中。Phrase和訳は出すかどうか不明(たぶんほとんど出さない)30点満点にするための調整用ぐらい?会話が成り立つように会話文穴埋めとか?
・前回の英作文の補足、出席カード裏面の質問に回答。その他、質問受け。
・今日はところどころでチェックポイントを設けて理解度を確認しながら英語字幕を中心に視聴させ、後で理解を補うために日本語字幕を添えるという使い方が多かった。
・まずは前のUnitの対話部分の映像。ここは英語字幕だけで視聴。そのあと、当該範囲のスクリプト(教科書記載の対話部分)を読み直し、この範囲の理解度チェック(Check 1)。評価方法は◎○△×の4段階程度を推奨したが、自由記述も可とした。
・次に就職斡旋の面接場面は3回視聴。最初に英語字幕だけを見た時点で理解度チェック(Check 2)。そして、日本語字幕で内容確認。最後に字幕なしで視聴し、理解度チェック (Check 3)。この場面では「相手の名前を呼ぶこと」の意味や、日本語字幕と英語の台詞のずれ(Who knows? You might get lucky. が「ダメもとで行ってみたら?」となっていること)について紹介。
・博物館の夜警3人と会うところまでは英語字幕のみ。夜警のセシルの名前を呼ぶ場面で字幕と台詞のずれ。"Are you Mr. Fredricks?" "Mr. Fredricks was my father. I am Cecil. "という台詞で "Mr. Fredricks was my father." が「堅苦しいぞ」と訳されている点を紹介して字幕翻訳者のセンスと字幕翻訳の制約について説明。
・夜警3人との会話を英語字幕で見て理解度チェック(Check 4)。グループで意味を考えさせてから日本語字幕で確認。
・そのあとの博物館内の紹介〜勤務開始〜トラブル発生のドタバタ劇は台詞の量も多くないので、コマ送りで簡単に説明しながら映像20分程度の分量を2分ほどで概略のみ説明。
・TeddyがLarryを救助する場面からは特に後半が教科書にスクリプトが掲載されているので、英語字幕で見てから教科書を読み、この内容がどの程度映像を参考に理解できるかを確認させた。(Check 5)
・次に、この部分を映画から英語音声のみを取り出して再生速度を落とし、台詞ごとに10秒程度の空白を入れて作ったファイルをAudacityで再生しながら、台詞ごとに簡単に解説。ここではTeddyの "everything in this museum came to life." という台詞で「エッブリシング」というように発音されている理由や、"Exactly." をひそひそ声で発音している理由について紹介。このような「本物の英語の音の作り方」をもっと映画などを使って勉強して欲しいことについても説明。また "Nothing's impossible. If it can be dreamed, it can be done." のような印象的な台詞についても説明。
・ここで残り時間は15分弱。教科書の残りの部分はざっと説明するだけにして、最後にBonus DVDの特典映像からメイキング映像(約12分)を視聴。そのあとで今日の授業で印象に残ったことを出席カードの裏面に書かせて終了。

省察・その他
・ところどころでチェックポイントを設けるという進め方が功を奏したのか、授業に集中している学生が比較的多かったような印象。もちろんこれは映像をいろいろ見る機会があったから楽しんで取り組めたという側面もあったこととは思うけど。
・チェックポイントで出席カードに書き込んだ内容は成績には無関係ということにしたので、正直に△や×と書いている学生も多かったが、○に近づけるよう各自でも努力して欲しいところ。もちろんこれは険しい道のりだが。
・メイキング映像が面白かったという意見が多かった。予想通りだけど。
・映画を使う授業は準備が大変だが、いろいろな切り口から攻めることができるので楽しい。今回もアイデアがいろいろありすぎて、90分に収めるように準備することの方でちょっと苦労した。



第6回 11月1日

授業の流れ
・前回指示した宿題をやっているかどうかで出席カードを区別して配布。どうも宿題をやっていない学生が多かったぞ…学園祭ではしゃぎすぎて忘れたか?
2種類のプリントを配布。(.docx形式。最初の2ページを応用英作文の練習として両面印刷で配布。次の2ページは解答例として板書または口頭で説明したもの、最後の1ページは片面印刷で、次回までのグループ課題(提出は任意))(※2013.11.1追記:同一プリントを2013年度にも利用していますので、解答例とグループ課題の部分は外したものに差し換えました。)
・宿題をやってきた者にはフレーズの切れ目を確認する目的で、やってきていない者は聴きながら教科書の英文にスラッシュを入れさせる目的で、フレーズごとにポーズを入れながら読み上げた。
・宿題プリントの解答入りのものを書画カメラで提示しながら、特に英作文で長めの文を書くときに使えそうなヒントを交えながら説明し、少しずつ応用英作文のプリントを進めていった。区切りのよいところで教室内を巡回しながら質問を受け、良い質問をした者の出席カードに「おっけい合格」の押印。
・応用英作文のプリントを終えた時点で残り時間は20分弱。グループ課題について説明してからストーリーの案を考えさせた。そして教科書の単語問題をやって答え合わせをして終了。

省察・次回の予定
・穴埋め英作文を考えさせて前に書きに来させるという課題はいくら志願者を募るとはいえなかなか希望者が出てこない様子だったので、今回はこの手の出題は2問に減らし、授業終了時の退室間際にちらっと見せてもらって個人指導し、出席カードに押印してから回収することにした。それでもさほど参加者は増えなかった様子だが、書きに来てダメ出しされて恥ずかしい思いをするということは軽減されるかも。
・次回の授業開始時にグループ課題を回収し、なるべく授業時間中(次回は映画を一定時間見せるので若干手が空く見込み)に添削して返却したいが、学生たちがいろいろ面白いネタを考えているようなので、提出枚数や内容によっては添削が間に合わないかもしれない。授業はペアでの英会話練習を中心に設計する予定。



第5回 10月18日

授業の流れ
・全員同じ出席カードを配布。(宿題等は指示していなかったのでチェックなし)
・前回の出席カードの裏面に書かれた感想や質問、穴埋め英借文などを書画カメラで映してコメント。
・前回やり残した穴埋め英借文2問について先着4名ずつで受け付け、参加者には出席カードに押印。その後、正しく埋め込みできる英語表現になっているかどうかを解説。
・映画冒頭のセリフが始まるところから約3分の映像を英語音声・英語字幕で視聴し、出席カードの裏面に理解度チェック①とし、内容がどの程度分かったかを%で自己申告。その後、近くの人とどんな内容だったかディスカッション。そしてその後で日本語字幕で再視聴してから、英語音声・英語字幕で分からなかった内容を今後理解できるようになるためにはどういう学習が必要だと思うか自己分析させ、出席カードの裏面に一言記載。
・この範囲のうちの一部が教科書にスクリプトとして掲載されているので、対話部分を使って練習。登場人物に感情移入するようなイントネーションを目標にペアで練習させ、上手に読めているペアの出席カードに押印しながら教室内を巡回。
・続いて教科書には取り上げられていない箇所を見てから、次の長い対話部分。映像を1回、英語音声・英語字幕で視聴、続いて同じ範囲を同様に英語音声で流すが、映像ではなく教科書のスクリプトを見ながら視聴するように指示。そしてこの部分で出席カードの裏面の理解度チェック②とし、同様に%で自己申告。近くの人と内容を確認しあってから、3回目の視聴を日本語字幕にて。その後、難しい単語等を板書しながら日本語字幕との違いなどにも着目しスクリプト内容をざっと説明。
・ここで「言語学の話」として、会話分析の手法の一つである隣接応答ペアについて簡単に説明。そして対話文中の隣接応答ペアで任意の箇所を3箇所選び、その部分だけを隣の人と練習。対話文全体を練習させるのは長すぎるというのもあるが、話者同士がどういう情報をやりとりしているか、そしてそれにふさわしいイントネーションがどうあるべきかを考えながら練習する機会はこれまであまりなかったのではないだろうか。
・最後の10分でBonus DVDの中から「監督業101」という特典映像(メイキング)を視聴し、大学指定の授業アンケートをやって終了。

次回からの予定
・前回と今回で後期に取り上げる2種類の学習方法の全体像を示した。授業アンケートや出席カード裏面のコメントなどを見る限りではいずれも好評のようなので、基本的にこの応用英作文と細かい単位での会話練習を交互にやっていく予定。



第4回 10月11日

授業の流れ
・前回の宿題のチェックを行いながら出席カードを配布。やってきた者には水色のカード、やっていない者にはオレンジ色のカード。遅刻者には一律オレンジ色のカード。
・受信英語という名前の科目だが後期は英作文もやることにした。(正確に言えば去年まで工学部で担当していたベーシック・イングリッシュという科目で前期は読解中心、後期は英作文へも拡張するという、自分の得意とするパターンの授業設計をこのクラスでも採用しただけなのだが、受信英語という科目名だけに少々引っかかるところもないわけではない。しかし学部の英語カリキュラムの中にまともに英作文を扱う科目がないので、何かきっかけがあれば英作文的なこともやらないといけないと思っている。)
・今回までの宿題も兼ねて、教科書にある読解用の英文を日本語のフレーズ訳ごとに順番に書かせるというプリントを使っているが、その英文の中の単語を入れ替えたり、順番を変えたりなどで、本文で出てくる構文を上手く使いながら英作文に繋げていく(いわゆる英借文)問題を17問用意した。プリントの実物はこちら。(.docx版) これを何も見ないで英作文するのは結構難しいと思うが、教科書の英文と日本語訳を参考にしながらであれば比較的簡単に取り組めるはず。
・これまでも毎年、別の教科書で同様の英借文を補助教材にする授業を行ってきたが、今年からは英訳すべき日本文も穴埋めにして、好きな単語を入れてその英訳も考えるという出題の仕方も一部で取り入れることにした。(上記実物の3/4/12/16/17番)そしてグループで相談しながら穴に入る日本語と英語と両方を考えさせ、各問先着3名に板書させ、出席カードに押印してポイント付与という方法にしてみたら、そこそこ盛り上がった様子。
・プリントは15番まで終了。16番と17番は次回の開始時に今回同様、先着3名程度に書いてもらう方法で答え合わせをする予定。
・最後に教科書の単語問題をやって終了。

省察
・「穴埋め内容考案型英借文」(仮称)だといろいろ想定していなかった答えが出てきてなかなか面白いのだが、和英辞典の訳語をそのまま使うことで意味が不自然になってしまう例があった。1限のクラスでプリント12番の問題「ラリーは本当の父親らしく(   )をしなければなりませんでした。」で日本語は「説教」英語は "preach" として板書してくれた学生がいたが、この単語は教会で牧師が説教するという意味でしか使わないので、父親らしく説教するという意味にはならない。このように和英辞典の訳語をそのまま使うとまずいという話をもう少し具体的に取り入れたいところだが、なかなかそこまでの時間は取りにくいのが残念。
・出席カードの裏面にこのような英作文学習を行ったことの感想を一言で書いてもらったが、多くの学生に好評だった模様。今後も2週間に1回ぐらいはこういう学習を取り入れていく予定。



第3回 10月4日

授業の流れ
・出席確認はカードリーダーにて。
・映画『ナイト・ミュージアム』のDVDチャプター16以降を視聴。約35分間。
・前回の出席カード裏面記載事項や英語を聞き取れた回数のカウントへのコメントなど。また、VELCテストの結果についても簡単に説明。
・後期からはPhrase Reading Worksheetを日本語→英語の形で使いながら、英語の発信力や英文の組み立て方も学習していくことになるため、その学習方法などについて簡単に説明してから、プリント片面だけ全員に書かせるところまで実施。具体的な解説などは来週。約30分。
・最後の約25分は映画DVDの2枚目についていた特典映像(全部を合わせると映画本編よりも長いくらいの特典映像がいろいろついている)の中から3つを選んで日本語字幕で視聴。まずはいろんな仕事に手を出そうとする主人公が「しゃぶしゃぶレストラン」を開こうとして出資金を求めるという未公開映像(約5分)を映写。ここで出てきたセリフを使って「しゃぶしゃぶ」をどのように英語で表現するかについても紹介したかったが、そこまで踏み込むだけの時間は取れなかった。でも出資者が懸念したような観点(子どもが火傷したら大変)は日本にはない発想だと思われたので、マクドナルドのコーヒーの高額訴訟の話も絡めながら説明。このような映画に現れる文化の違いなどについても機会があれば紹介していきたい。続いてメイキング場面(約7分)とNGシーン集(約7分)を映写。

省察
・DVDの特典映像はみんな楽しんで見てくれていた様子。まだまだ他にもたくさんあるので、できれば授業3回に1回ぐらいの割合で面白そうなものを選んで見せてもいいかな、という気がしている。(たくさんありすぎて自分もまだ全部見切れていない。)



第2回 9月27日

授業の流れ
・今期のこの授業は映画『ナイト・ミュージアム』を扱うので今回と次回で全編を英語音声、日本語字幕で視聴することにしていた。今日はDVDチャプター15の終わり(1:13:10)までを視聴。
・ただ見せるだけでは面白くない(?)ので、授業開始前に出席カードを配り、黒板に「映画を日本語字幕を手がかりに見て、あ、英語が聞き取れたかも!?と思ったら裏面に「正」の字でカウントして下さい。Hello. だけでも1つと数えても構いません。(成績には無関係です。)」と板書。日本語字幕だけを見て楽しむのではなく、少しでも英語に耳を傾けてもらうよう意図したつもりだが、結局大多数の学生は途中から日本語字幕だけ楽しむようになってしまった様子。でも一番多くチェックしてくれた学生は110箇所ほど数えた記録が残っていたので、それなりに日本語字幕から離れて見てくれたのだろう。
・今日の範囲は途中までではあるが、映画の感想も書いてもらったところ、好意的な内容のものが大多数であった。

省察・その他
・既にこの映画を何度も見たことがあるという学生がいたが、いつも日本語吹替で見ていて、英語音声・日本語字幕で見るのは初めてだったとのこと。他にも数名は見たことがあるらしい。(英語音声で見たことがあるかどうかは聞かなかった。)
・出席カード裏面の聴き取りカウントについて、映画にのめり込みすぎて途中から英語の聴き取りがおろそかになってしまったというコメントや、途中で数えるのが面倒になったというような意見も寄せられた。今回の取り組みが余計なことだったとは思わないが、今後、学生らが英語音声・日本語字幕で別の映画を見るときにも、同様にどの程度英語が聞き取れるかをチャレンジしてくれたら嬉しい。
・もともと109分というやや短めの映画作品なので、次回分が35分程度しかない。次回は30分程度は未公開シーンやNGシーンなど、もう1枚のDVDの特典映像も見せることになる予定。あと30分は…次回範囲の予習でも教室内でやることにしようかな。



第1回 9月20日

授業の流れ
・1年次科目として開講しているこの授業の後期1回目はVELCテストを実施してみることにした。(今年度中は無料で受験できるというのが何よりも好都合だったのだけれど。)授業時間開始前に各机に予め受験のしおりとマークシートをセットで人数分置いておき、来た学生から自由席で座らせるようにしたらとてもスムーズに実施できた。そして開始直前に問題冊子を配布。
・試験時間は70分間。リスニングの開始時からリーディングの終了時まで、CDをトラック1から順番に流しっぱなしにすれば良いようになっていて、トラック4で延々45分弱の無音部分が続いた後で試験時間終了のアナウンスというつくりになっていたので、再生スタートしたらもう何もすることがなかった。終了後、問題冊子と解答用紙を回収して終了。
・ほぼ全員が前期からの流れで履修している科目なので、前期の最終回に実施した期末テストの答案を希望者のみに返却。
・後期の授業計画などを話す時間が取れなかったが、このクラスは映画を使うクラスで、来週・再来週に分けて全編を視聴するので、再来週あたりに後期の授業計画を伝えても遅くはない。

省察
・どんなテストをやっても同じだと思うのだが、最初からマトモに取り組もうとしない学生や、途中であきらめてしまう学生がいる。VELCテストは「日本人大学生のための英語力診断テスト」を謳っている試験であるが、一部の(特に試験が嫌いな)学生は「英語力なんて正しく診断できなくてもいいや」とでも思っているのだろうか。まあこれは分からないことではない。でも折角のチャンスだから有効に活用して欲しいなあ。